NHK杯にて、ようやく、今季のあっこちゃんを観れました![]()
フリーの、「0」は、本当に最高![]()
ただ、ショートの「キル・ビル」と「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」の方は、観終わった時から、アレ??って思ってたんだけど、何と折角の映画音楽、しかも「キル・ビル」は、日本刀を女性が振り回す豪快なエンターティメントだと言うのに、「剣舞」がどこにも入ってないんだな![]()
てっきり、ステップライン・シークエンスで、剣舞が始まるかと待っていたら・・・。![]()
なかった![]()
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振り付け師さん、コレはないでしょう~![]()
残念ながら、ショートの方は、あっこちゃんの力量を、活かしきれる振り付けが少なくて、衣装と始まり、そして終わり・・(でも、ここも、「キル・ビル」から始まるのだから、刀を鞘に収めるポーズで決めたら、尚かっこ良かった!!)の中で、「おーっ
」って言う振り付けが、少なかったのが、残念です![]()
でも!あっこちゃん、出来たら、このショートの振り付けを、貴女が日本刀に見える程のキレを出して、振り付けの構成不足を、カバーして欲しい![]()
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本物の日本刀、持ちました?あっこちゃん。
持ったかな。
ほんとに、ずっしりと重いんだよね。
刀を返すのも、ちょっと力がないと、しんどいくらい。
ただ、チャッ!!と、構えた時に、鳴る、鍔の音![]()
そして、西洋の「見せる為の」宝飾がふんだんに施された剣と違って、刀剣師によって、鍛え上げられ、磨き上げられた刀。
そして、その波紋。
本当に美しいです。
実物は、ぞっとする程、美しいです。
刀マニアなんかがよく言うのを、私も納得出来るんですが、鞘とかではくて、刀身そのものに、あそこまでこだわって、芸術にまで高めたのは、日本だけ。って。
是非
一つ一つの滑り、ステップ、動きに、あの、日本刀の芸術的な美しさを表現して下さい![]()
兎に角、スピード勝負ですよね![]()
振り付け師さんが、あーっ、もっと表現出来た!!
って、頭を抱えるくらい、あっこちゃんの力と技で、あのショート、高めて下さい。
折角、最高の刀身を持った、日本刀をテーマにしたプログラムなんだもの![]()
そして、フリーは・・・・
凄い。
やりましたね、あっこちゃん。
もう、録画何十回観た事か・・・。百回近いかな?
正に、最高の感動だった。
ここからちょっと、文体を変えます。
だって、何が凄いって、音楽が主役になったんだもの。
今年のNHK杯、私はテレビで、フィギュア・スケートのフリーの演技を観ていた。
最終グループ、一番目登場、鈴木明子。
目を奪われる、孔雀の羽に包まれた衣装に釘付けになった。
彼女は、観衆の拍手に応えて、両手を広げながら、リンクの中に行く・・・。
ああ、その時に、彼女が伸ばせてみせた、腕の美しさはどうだろう。
細く、しなやかで透き通った腕。
まるで真珠貝から生まれて来たかの様な。
曲目は、シルク・ド・ソレイユの「0」。
まだ、かつて、聴いた事のない曲だった。
彼女は、優雅にそのしなやかな腕を、背に回して美しく伸ばした。
まるで鳥の翼の様に。
そして、小鳥のさえずりがリンクに響いた。
彼女がそれに応えて動き出す。
青い、孔雀の羽に飾られた衣が揺れる。
森の中。
小鳥たちの楽園。
美しい水辺。
木洩れ日の中を、青い小鳥が舞い始めた。
風がそよぎ、瑞々しい青葉が揺れる。
神々の壮大な調べが始まった。
青い鳥はその調べを受けて舞う。
全て神の御心のままに。
神々が歌いだす。
生命の歌を。
時の歌。
青い鳥は、その歌声の中、どんどん自身の創造主が、与え給うた命を躍動させて行く。
青く、美しい小柄な鳥が、神の声が、響きが、溢れるごとにその生命力を引き出されるかの様に応える。
それは魂の歓喜。
生まれた喜び。
生きる全て。
彼女は、鳳凰に身を昇華させて踊り狂う。
無の境地。
もう自我はない。
神々に憑かれた至上の青い鳳凰。
神々は歌う。
過ぎ行く時間について。
鳳凰は舞い飛ぶ。
いつしか時は過ぎ、森の向こうに太陽が姿を隠し、残照のその一瞬まで。
まるで今日生きる事が、その鳳凰に取って全てであるかの様に。
ちょっと調子を戻します。
兎に角、「0」は凄かった。
絵描きを超えましたね、あっこちゃん![]()
この、「0」の絵は描けません。
カメラマンは、シャッターを切るのを忘れて、画家は筆を置き、詩人は言葉を失う。
それほど素晴らしかった。
「一瞬」を捉える事が出来ない。
余りの感動に、その舞の全てを、言葉を失って見詰めるだけ。
本当に凄いと思ったのは・・。
やはり、リンクの上に、神を現せた所です。
あれほど、選手がいて、音楽を「見せれた」人は、あっこちゃん以外にいない。
「0」は、本当に神秘的な、荘厳な、神の歌だった。
森が見えました。
泉やせせらぎ、そして、時刻が、陽の輝く頃から、夕闇になって、1日が終わるのが見えた。
紛れも無く、「主役」は、「神」である音楽で、あっこちゃんは、その響きの、調べの「命」だった。
最初は可愛く、美しく舞い始めた青い鳥が、どんどん神の歌声にその眠れる本当の姿を解放されて、あひるの子が、白鳥だったように、水辺のカワセミは、青い鳳凰に変化した。
「カメラマンはシャッターを切るのを忘れて、画家は筆を置き、詩人は言葉を失う。」
もう、何も言うべき言葉が見つからない。
スケート史に残り、多分、人間が残る限り、語り継がれる演舞。
そう、もう、言葉で感動を伝えられる事ではないんだ。
文章には若干自信があったのに、言葉が自ら、沈黙を選んでしまう。
グランプリ・ファイナル。
その演舞が、再び舞われる日まで、後、少し。