「汝、我が民に非ズ」実演@高円寺JIROKICHIで、さしすせそな夜。 | ●Malu Cafe●

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はじめまして、Malu Cafe(マルカフエ)です

タローちゃんとフィーバー
ジローちゃんのタイガー


汝、我が民に非ズ。高円寺にて実演観賞。 
煌めく十字架を掲げたのそのひとはまさに光でした。 

というわけで。
 
町田康 新プロジェクト「汝、我が民に非ズ」2018年2月16日、高円寺はジロキチでのライブの感想を綴ります。興味のある方のみ、先にお進みください。今回も遠慮なく書き散らしています。
 
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「汝、我が民に非ズ」は、
北九州あけてのちに、中原中也(朝日カルチャーセンター)井原西鶴(池袋コミュニティカレッジ)、と、勤勉を重ねています。鬼出勤的な。
※マルカフェブログ内記事に飛びます。リンク先も結構鬱陶しいです。

町田さんの声に、気持ちよく飛べるんです。
「君は神を見た」とうたわれ、君は豚で臭くて呪われているといわれても、尚、そこに神を見るのです。見えるのです。見たのです。

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いきおい、徒然。
 
休憩の折「ワンタンおれのワンタン」みたいな歌がよかった、と。マスターに耳打ちされましたが、しばらく考え、それが「踊り狂う君ダウン花を抱いて儲けなしでターン」だとちゃんと気がついた自分はなかなか立派だなと思いました。
 
ワンダンならさがしたってワンダンならタカラモノ
ワンダンならさがしたってワンダンならタカラモノ
ワンダンならわたしたってワンダンならタカラモノ
ワンダンならわたしたってワンダンならタカラモノ
 
「踊り狂う君ダウン花を抱いて儲けなしでターン」
 
踊るダウン君花を抱いて踊る君ダウンあれ花はどこだっけ、などと語順がわからなくなることもしばしばですが妖しげなイントロからぐっと引き込まれてしまう、とてもとても好きな楽曲です。前半では、小倉ブックフェスでも、サイクルオブカシスの解説につかっていらした「夏服の女」も聴けて、感無量でした。それから、石牟礼道子さんへの追悼としてご披露された「つらい思いを抱きしめて」や、「情熱だけの人生」も実に最高でありました。

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もとより、小説作品をそれとした愛好してきたはずなのに(作品さえすぐれていればそこに人格や背景は必要ない、とするタイプの人間です)、こうして、心酔しきってしまうのはいかがなものかと自問したりもするのですが、今目の前にあるこのうつくしさにあらがうことなど出来るわけもなく。リズム、音、そして詞。姿とにおいとが意識を覆い、どこまでも畳みかけてくるようなつよさと、突き放すようなあっけなさといつまでも心にのこる言葉の渦とが、心を捉えて離さないのです。

囚われるよろこび。でしょうか。

■ ■ ■

休憩挟んで後半のセットリストは……

「夏服の女」
「私たちの岬」
「あの日の六時」
「夏の午後」
「ひがくれ哀話」
「風の中で君」
「いろちがい」
「白線の内側に下がってお祈りください」


いろちがいから白線への流れ迸るリズムと音と詞の渦にのみこまれ果てしなく気分高揚体温上昇。町田さんもメンバーの皆さんも、たぶん、客席の人たちも、もしかするとカウンターの中の人たちも、みんな、びっくりするくらい幸福に包まれた終盤でした。
 
だけど、今日は、いまは
さがって。さがって、後ろへ
さがって。さがって、この白線から
さがって。さがって、後ろへ
さがって。さがって、僕らの自由のために
 
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栄光たるその笑顔で「ありがとう」と、ステージをあとにする背中は清々しく晴れ晴れとして見えました。客電が落ちたままの箱は洞窟のようで、暗がりに、大人たちがぎちぎち身を寄せ合って、無言のまま手拍子を重ねる様はまるで神おろしの儀式みたいで、プリミティブでありながらも極めて紳士的で不思議な空気でした。ほどなく戻ってきてくださった町田さんは、「つるつるの壷」「あの日の豚にチャーハンやれよ」をそれはそれは愉快そうに歌って、ひらひら舞う手もまさに陽気のあらわれみたいで最高で、己のあたまのパカッと開いてふわふわしてきたところに厳かなイントロ。

・・・・

もしやスピンク……!!

 

 

そらで歌えるくらいにしみ込んだ詞が、町田さんを通して発せられると、胸が締め付けられるようでした。いつか見送った二頭の柴犬のことはもちろん、もう会えなくなってしまった大事なひとたちとのお別れの日を思い出し、愛しい時間をただ愛しいと振り返るしかない、しずかなかなしみがこみあげてきて。おおらかな演奏に揺られながらも、彼らが今ここにいない寂しさと、今ここにある精一杯の生を全身で受け止めようとする力に、感情があふれてしまいました。手元のハンカチはぐずぐずになって、目の前は霞が罹ったような景色になりました。涙を拭うと、マイクに向かう町田さんも泣いていました。
 
不意打ちにもほどがあるし、去り際の「ありがとう」は、永遠の左様ならにも代わるほど切実でかなしくて、うつくしかったです。深い感動を憶えつつ、どこか呆然としたまま電車に乗りました。
 
・・・
 
実演はやはり、最高で幸せで素敵で、せっかくだからと連れて行ってみたマスターが思っていた以上に気にいったようで、それならばと次もたぶん連れて参ります。あ、アルバム用の吹き込みは終わっているそうで。MCにて、発売は6月あたりではないかと仰っていました。新ドラマ―の高橋結子さんもすごく良くて(曰く、脳が変になるような叩き方)、気持ちが良かったです。

【おまけ】
①お供
「餓鬼道巡行」はサイン入りなのです
 
 
②お供2
この日はマスターも初参加。

大いに揺れて、なんか、治ったみたいです。

 

③余韻
胸元のクロスを思い出しながら今朝の一杯。無意識に、スピンク色で仕上げていました。