こちらは、御嶽ハロウィンの日にお越しくださった犬神博士。(と、ジャックなマスター)
犬神博士は、我がMaluCafeの移動図書館長です。わたしの読書欲をばっちり満たしてくれるものすごい懐の深さが魅力で、日野日出志先生も楳図かずお先生も、大人になって読み返すきっかけをくれた方でもあります。恐怖と笑い、愛と憎しみが表裏一体であることに気付いたのも、今思うと、おそらく ホラー映画&漫画のおかげかもしれません。わたし、怖い映画ってからきしダメなんですが、ダメなくせに、いざ観てしまうと盛り上がるところで…どうにも 笑ってしまうという…。笑い飛ばすことで恐れを誤魔化そうと言う訳でもないのですが、例えば、ジェイソンがざくざく始めると、貞子がテレビから飛び出すと こみあげてくるのは愉快な気持ち‥なんですかね、これ。
今日はハロウィンだということで、以下、ホラー漫画のレビューなど
「洗礼」/楳図かずお
「美」への異常な固執から娘に永遠を託そうとする母と、母の願いに精一杯応えようとする美しい娘の歪みきった愛情のぶつかりあいが壮絶。脳をこじ あけてまで貫こうとするの母娘の女としてのそれぞれの在り方には恐怖をおぼえた。ラララーじゃないだろ、とか突っ込みながら読まないとくじけそうになる。狂 乱し逃げ惑う我が子を、恍惚の表情で追い詰め、縛り、手術台にのせ、髪を刈る母親の姿は、ジェイソンなどの100倍怖い。

とにかく、一時が万事緊張の連続で、ちょっとないほどの母娘の情念の物語であるが、同時に究極の恋愛漫画ともいえよう。岡崎京子氏の「“セックス しないエッチ”のチャンピオンみたいな漫画」という例えは実に的確。たまらなくロマンチックで、狂気じみた、およそ「執着」でしかない恋心がなまなましく て、思わずいっぺんに読み上げてしまった。こどもの身体で迫る禍々しさやもう半端ない嫁いびりはリアルすぎて直視し難いほど。それでも、かつて道ならぬ恋 をした日のことを思い出しながら、さくらの歪んだ愛にはすっかり魅了されてしまった。しかしあのぺろんと出した舌の恐ろしいこと!自分のなかのさくらに対 面しながら女が女であることをなめるように確認できるような、繰り返し読みたくなる名作です。
「おろち」 /楳図かずお
ちょっとそれ有り得なくない?という設定満載ですが…一歩踏み入れるとあら不思議。おろちの目線を借りて辿るそれぞれの人生には、かなしみがあ り、言い知れぬ恐怖があり、どこか現実的で人間の奥底を見透かしたようなちいさな世界は、読み進めるうちに、本当にありそうな気さえしてくるからすごい。 犬神館長一押しの名作「姉妹」をはじめ、「骨」や「血」など救いようのない物語には地獄を見るが、その暗さゆえ、ほのかに光るあたたかみや希望の一片が垣 間見える美しい作品も収められています。「姉妹」は「18歳の誕生日を迎えると醜くなっていく」という呪われた血筋における「美」とアイデンティティと自己愛をめぐる姉妹の物語。名医ブ ラック・ジャックにも決して解決しえないような心の闇を見事に描ききった見事な作品である。結末を知った上での再読においても、その深さに驚愕すること請 け合い。先だって映画化されたようだが、やはり原作の迫力には及ばなかったようで。自ら演じられるものなら、すんごいあつかましいけどぜひとも妹役を演じてみたいなあとか。
「神の左手、悪魔の右手」 /楳図かずお
小学生の頃、こっくりさんやキューピット様に並び、恐怖漫画が大流行していた。多分に漏れず10円玉を動かしまくったり恐怖漫画に入れ込みまくっ ていたのですが、本作と「漂流教室」だけは自宅に持って帰るのを躊躇したほどで。何が恐ろしかったのかというと、ズッタズタで血まみれ臓物まみれの激 グロ描写で、痛々しいのが苦手な自分にはスプラッターシーンがとにかく辛く、今にも動き出しそうな苦悶の表情をまともに見ることが出来なかった。それでも ページをめくる手を止められなかったというのは、物語の持つ魔力だといえるのかなと思います。少々のグロさには動じなくなった現在でも、「錆びたハサミ」だけは気合を入れないと読めなかった。冒頭から、みぞおちにドンとくるインパクトなの である。これが平気なひとは他の何を見ても結構大丈夫なひとなんだろうと思う。総じて流血まくりなのだが、「女王蜘蛛の舌」は何故か縁があり何度も読んで いて(舌に描かれる蜘蛛柄がセクシーで気に入っている)、次に読む予定の「黒い絵本」は怖すぎるけどとにかく面白くて、何度も夢に出てくるほどだ。怪奇漫 画好きにはお勧めしたい作品群。いやしかし、兎にも角にも、これだけ強烈な印象を残す悪夢漫画を他に知らないわたしは仕合わせだなあと思ったりします。
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なんとなくロマンチックな楳図作品に比べ日野先生の作品は…その殆どがまさに見るんじゃなかった系だと思います。ごめんなさいごめんなさいと誰ともなしに謝ってしまいたくなるくらいどぎついところが、たまらないわけですが。こどもの時にはこれまたげらげら笑って読めていたのですが、 今なおせまりくるこのいやらしい感じは、いったい何なのかと。初めは1コマずつ丁寧に追っていくのですが、結局、10分くらいでガーっと読みあげてしまうのは、駆け足じゃないと絡め とられそうな感じだからかもしれません。とりあえず、どこ開いても地獄絵図。あっというまに読み切ったところで、それでもねばねばとまとわりつくようなきもちのわるさがしばらくあとを引 くという、絶品。で、御座います。
というわけで、気になった方はとりあえずマルカフェへ★
●金土日の週末カフェ(営業時間 11:00-17:00)
●Malu Cafe/マルカフェ
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※11月4日、5日、6日は、「おやすみ」です
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