人の目を見ないことを責めないで | ま、いっか。のブログ

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■車の人に殴られそうになった2回の経験

 

千葉で大学生をしていた頃、線路沿いの道路脇を一人で歩いていたら、前方から来た1台の乗用車が急に目の前に止まりました。すると、運転席からバットを持った若い男が突然降りてきました

 

「お前、何見てんだよ」と言われてびっくり。

 

最初、何のことかわからなかった。

 

今にも殴り掛かりそうな勢いだったんですが、幸い、助手席に同乗していた仲間の男の人が降りてきて止めに入ってくれました。

 

「たぶん、この人は精神異常者なんだろう」

と思っていたのですが、気になったのはそれが私にとって2回目の経験だったことでした。

 

1回目の人とは違う人で、場所も車も違っていました。

2回とも運良く止めに入ってくれた人がいたのでケガはありませんでしたが、内心「またか」と思っていました。

 

 

■目つきの悪さで悩んだ思春期

 

私はもともと目つきが悪く、中学も高校でもずいぶん苦労しました。

 

その頃は相手の目をずっと見て話すタイプだったので、しょっちゅう街中で喧嘩に絡まれましたし、学校の中でもそうでした。もうホントに数えきれないぐらい。

まあ、喧嘩はしない派なので、逃げるか、謝って許してもらっていましたが、どうして何も悪いことしてないのに、こんなに目にあうんだろうと随分悩みました。

 

電車の中の通路を歩いてる時に「次の駅で降りろ」とか、知らない通行人のおじいさんから「あんた、そんな目をして歩いたらあかんよ。危ないよ。」って注意されたこともあります。

 

学校の中では「悪魔の目」「ヤクザ」というあだ名がついて、随分からかわれましたが我慢して我慢して我慢しました。でも、その頃は私も負けず嫌いなところもあったので意地でも自分のスタイルは変えるつもりはありませんでした。

 

ですが、勉強の事で親に説教される時に、無意識に目を見ながら話しを聞いてただけなのに「この子はなんて目するんだい!」と怒鳴られたりすることも出てきて焦りました。親だけはそんなこと言わないだろうと思ってたから。

次第に学校の中でも外でも、家の中でも言われることが増えて、居場所がないような感じがして、心身ともにかなり疲れてしまいました(高校生の時です)。

 

友達は気を使って「そんなことないよ」とか言ってくれましたが、一向にトラブルが減らないので、鏡を見てどうしたら睨んでいないように見えるかとか、丸メガネに変えて印象を替えたり、髪型を真面目っぽくしたり、服装を替えたり、みんなの下校時間と時間をずらすといったことを影でやってみたりもしました。ですが、思ったほど効果はなかったんです。

 

 

 

■大学時代のサークルの飲み会で

 

なんだかんだあって、大学に進学して、陸上のサークルに入ったある日。

新人歓迎の飲み会に招待されて参加したんですが、2次会か3次回まで店をハシゴして飲み繋いでると

酔っぱらった自分も見て、先輩たちが私目つきの悪さを話題に取り上げました。

「そんな目をして歩いていて殺されそうになったこと何回ぐらいあるの?」とか、「暴力団から勧誘がきたりしないの?」とか、好き放題言われて笑われました。そして「怖いからあまりこっち見んな」と言われた時、

さすがに心の中で守ってきた自分のスタイルは変えるべきかな、と思うようになったんです。

 

その矢先に起こったのが、前述のバットマンのやつです。

 

もう、完全に意気消沈でした。

 

身の危険を感じたこの件以来、なるべく人と目を合わせないと決めました。

合わせたとしても数秒だけ。

 

 

■社会人になって

 

ですが、目を合わせなくなると、途端に言われるのが

「なんで人の目をみないんだ」ですよね。

 

理不尽です。

 

そう。

僕だってそう思いますよ。

人が話をしてる時はきちんと目をみて聞くべきだと思う。

それが礼儀だし、本来あるコミュニケーションの形です。

 

ですが、それが出来ないんです。

怖くて。

 

また殴られそうになるんじゃないかって。

 

 

■35歳のある日のこと

 

35歳になると、顔つきが老けてきたせいか、目元が緩んできて少しやんわりした顔の印象になった気がしました。そこで思いっ切って前のスタイル(相手の目を見て話したり、きちんと前を向いて歩くようにするごく一般的なこと)に戻すことを少しづつトライしてみました。

それは順調に進んでいて、少しですが以前のように自信を取り戻すことができたんです。

 

ものすごく嬉しかったです。

 

…しかし、清掃の現場で都内の某公的施設に行ったある日のことです。

休憩時間になり、仲間とコンビニに行こうと歩いていたら、前から来た大学生らしき若い男性に呼び止められました。「なんだよ。お前」と言われ、「なんか文句あんのか?」とふっかけられました。

こちらは仕事で来ていたので現場で喧嘩をするわけにもいかないですから、誤解を招いてしまったことを謝罪しましたが、かれこれ10分ぐらい説教されました。

仲間から随分励まされましたが、ここでまた、心が折れてしまいました。

 

また一からのスタートです。

 

■人の目を見ないことを責めないで

 

笑われるかもしれませんが、整形した方がいいかなって真剣に考えたこともあります。

でも、ただ目つきが悪いからといって親から頂いた体を傷つけるのは抵抗があり、できませんでした。

五体満足、健康な体に生んでくれて、何をこれ以上望む必要があるんだと。

 

46歳になりましたが、今でも毎日葛藤しながらこの悩みを乗り越えれるように模索しています。

 

普通の人にとっては何でもないことでしょう。

中学生の頃の悩みと未だに向き合ってるなんて、恥ずかしく誰にも言えません。

 

目を見ない人がいます。

たしかに印象が悪いし、話を聞いていないようで失礼でしょう。

ですが、すぐに短絡的に文句をいって説教するようなことはしないで欲しい。

 

必死に目を見ようと闘ってる人たちも中にはいると思うから。

 

 

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