「チャイナタウン」
1974年
監督:ロマン・ポランスキー

話しのおもしろさ:○
センス:△
配役:△
問題提起度:×

ジャック・ニコルソン主演のサスペンス映画。私立探偵のニコルソンの元へ水道局部長の夫の浮気調査の依頼をニセの妻が依頼しにくる。しかしその夫が女性といるところをニコルソンが写真におさめると、心当たりもないのに翌日の新聞に掲載されてしまう。ここで本物の妻がニコルソンの元を訪れる。しかし夫は水死体で発見、ニセ妻は殺害される。犯人は本物妻か?実は黒幕が本物妻の父親だったり、夫の浮気相手が本物妻の妹であり娘だったり、ホントは夫は浮気じゃなかったり。と、ちょっと複雑なサスペンスの話。

だけどこの映画を観て今のサスペンス映画は複雑すぎだと思った。今のサスペンスは話が絡み過ぎて途中訳が解らなくなってくる。結末の意外性や驚きが映画の面白さになってしまっていないだろうか?テレビドラマみたいに初回と最終回だけ見ても楽しめてしまうのは映画とは言えないのでは?

確かにこの映画もサスペンスの方程式に乗っ取っている。夫の浮気を暴かれ敵意を持った女が現れる→女は結構美人→女を犯人かもしれないと疑っているがエッチをしちゃう→だけどもっと疑わしい事を発見する→だけど愛情は深まる→犯人が女でないとわかる→愛する女が死ぬ。
これってサスペンスの方程式だね。

それでは。
「黒い太陽」
1964年
監督:蔵原惟繕
出演:川地民夫、チコ・ローラン

話しのおもしろさ:×
センス:×
配役:?
問題提起度:△


音楽を通して黒人を崇拝する明(川地)。あるときマシンガンで白人を射殺した黒人のギル(ローラン)が明の部屋(といっても廃墟)に逃げ込んでくる。明はギルに対して敬愛の念を示すが、殺人を犯しているギルは明を警戒しマシンガンを突き付ける。最後は互いを理解しあうが、警察に追われ離ればなれになってしまう話。

この明は「勝手にしやがれ」のジャン=ポール・ベルモンドか「狂った果実」の石原裕次郎に憧れているのか?妙なテンション。完全に自分はカッコイイと思っている。「バカやろう」「ちくしょう」が口癖。何かあると「ファック」と言ってる人と同じかな。今の若者をおかしいとか言うけれど、この時代の若者も相当ひどいよ。明みたいなのばかりじゃないと思うけど。
最初はマシンガンを突き付けられた明だけど、ギルの寝たすきをみてマシンガンを奪って形勢逆転。明の黒人ギルへの扱いがこれまたひどい。まるでペットかロボット状態。顔に白ペンキを塗って白人にしたり、随分な罵声を浴びせたり。差別だね。しかし社会的、人種的な問題提起は感じなかった。

だけど一つ印象に残ったのは、冒頭のタイトルロゴやスタッフロゴ。観にくいが斬新な表現だった。

それでは。
「ニノチカ」
1939年
監督:エルンスト・ルビッチ
出演:グレタ・ガルボ
話しのおもしろさ:◎
センス:○
配役:◎
問題提起度:△

私の最も好きな映画。監督は巨匠エルンスト・ルビッチ、脚本はビリー・ワイルダー、この二人の名前を聞いただけでもそそります。ちなみにルビッチとワイルダーは師匠と弟子の関係。主演のグレタ・ガルボはこの映画で初めて笑顔と肉声を披露しました。彼女初のトーキー映画です。

グレタ・ガルボがロシアの役人となりパリへ派遣されます。お国の為と初めはクソ真面目な彼女ですが、恋やファッションに目覚めていきます。随所にルビッチらしいユーモアも含まれた、話しとしても大変面白い作品です。
話しの面白さだけでなく、グレタ・ガルボの美しさも必見です。現在のハリウッド女優も美しいですが、今の時代においてもグレタ・ガルボの美しさ一級品です。
この映画はぜひ皆に観ていただきたい一品です。

それでは。