ぞうきん しぼり
私の数ある苦手なことの中でも、ぞうきんしぼりはかなり苦手な部類に入ります。
”絞る”という行為が、なんとも苦手のようです。
しかし子ども達と活動をしていて、ぞうきんしぼりから逃れることはできません。1日にいったい何回ぞうきんを使うシーンがあるかしれません。
当然どんなに苦手でも、私は先生ですし、大人です。
ぞうきんを絞ります!
それがどんなに、絞り切れていないくても・・・(笑)
でもある日、私は見てしまったのです。
私のそばで手伝ってくれている子ども達が、何も言わずに私の絞ったぞうきんをもう一度、絞っているのを・・・
そして、何事もなかったように使っているのを・・・。
それから私はぞうきんを絞る時、私のそばにいる子ども達の行動をこっそり観察するようになりました。
私のぞうきんを何も言わずに絞り直しているのは、1人や2人ではなかったのです。(笑)
私は感動して、クラスの子ども達にその話をしたのです。
「実は、先生は大人なのにぞうきんを絞るのが、上手にできなくて・・・、先生のぞうきんは、いつもビチョビチョだったりするみたいなの。
でもね、先生のビチョビチョ雑巾をもう一度、みんなが絞り直してくれているのを見ちゃったんだ!
いつもありがとう!!」
すると1人の子が、
「だって先生の雑巾、ビチョビチョなんだもん!」
と言ったので、クラスのみんながどっと笑いました。
私はまた聞きました。
「なんで、やってあげたよ!とか言わないの? なんで先生なのに出来ないの!って、怒らないの?」
子ども達は私の質問に、あまりピンときていないようでした。
「え? 別に・・。」
「だって、俺の方がうまいもん!」
「私も、できるもん!」
と口々に言うのです。
私はいつものように、1日の保育を振り返って思いました。
子ども達は、まるで当然のように、私の苦手を受け入れ、そしてフォローしてくれていたのに、気がついていなかったのは私だけだったのです。
子どもって、なんて優しい生き物なんだろう!
身長1メートル足らずの子ども達が、実は私の足元を
”優しさ” と”大きな懐(ふところ)”で支えてくれていたのです。
私は反省しました。
挨拶を教える目的はあるにせよ、子ども達に対して、余分に「ありがとう」を求めているんじゃないかと・・。
「ありがとうは?」
「やってもらったら、ありがとう でしょ!」
・・・。
もしそうなら、私はもっともっと子ども達に「ありがとう」を言わなければ・・・。
「いつもこっそり手伝ってくれて、ありがとう!」
「苦手なことがある先生を受け入れてくれて、ありがとう!」
そう思った出来事でした。