3歳児 早生まれの女の子からの質問
「結婚ってなあに?」
「入院ってなあに?」
その女の子は、絵に描いたように元気いっぱいで甘えん坊でやりたい放題のかわいい女の子
昨日も朝から私によじ登り肩の上で立ってみたり、トイレに行くように促されても床に転がって、運んでくれれば行くと言ってみたりする・・・
ま、ここまで徹底していればもう何も言いようがない(笑)、とにかく1日中やりたい放題のかわいい女の子
その子が午睡時
お布団に横になり
私にトントンされながら
小声で聞いてきたのです。
未だかつて見たことのない神妙な表情で、
「結婚てなあに?」
私に緊張感が走ります。
即座に彼女の家庭環境を思い出し、質問の背景を探ります。
時にこの手の質問は、その子の現状の家庭背景からくるシビアなものもあるので、けっこう神経を使います。
そして私は、彼女の顔を見ながら探り探り答えたのです。
「結婚ね・・
◯◯ちゃんのお父さんが◯◯ちゃんのお母さんのことを大好きになって・・・お母さんもお父さんのことが大好きになって・・・ずっと一緒にいたいねって思って・・・じゃ一緒にいよう!って決めること・・かな。
だから、◯◯ちゃんのお父さんとお母さんも結婚した時とっても嬉しいと思ってニコニコしてたと思うよ・・。」
とにかく探り探りです。(笑)
言葉を選びながら、真実はわかりませんが少なくともこの瞬間、彼女が生まれてきたことは幸せの賜物であると思ってもらいたいという願いを込めながら・・・
慎重に・・
慎重に・・・
見たことのない神妙な表情のまま、
見たこともないほどよく話を聞いています。
私はドキドキしながら彼女の反応を待ちます。
そして一呼吸おいて、彼女が満面の笑顔で、
「お家に結婚の写真があるんだよ!」
私はすかさず聞きます
「その写真、お父さんもお母さんもニコニコだったでしょ!」
彼女は長年の謎が解けたように、
「うん!!明日持ってくるね!」
と言ったのです。
私はひとまず胸を撫でおろしたのでした。
するとまた神妙な表情に戻り、
「入院ってなあに?」
「お風邪の時に病院にいってお医者さんに診てもらったりするでしょ?」
「うん」
「だいたいはお薬をもらったりして、お大事にしてくださいね!って言われるんだけど、時々、お医者さんがお薬だけじゃちょっと心配だから病院にお泊まりしてください!っていうことがあるの。それが入院。
足の骨がボキッって折れちゃって、お医者さんが心配してお泊まりしてね!って言ったりすることもあるよ。」
1つ1つの言葉を噛みしめるように聞いていた彼女が、ポソッと独り言のように
「おばあちゃん、足痛いって言ってた・・」
「おばあちゃんが入院したの?」
「うん」
「そっか、早く治るといいね!」
「うん、明日おばあちゃんとこに行くの」
そう言って、彼女は眠りについたのでした。
子ども達と付き合っていると、時折、普段見せないような神妙な表情で質問をしてくることがあります。
今回の ”結婚” の質問の背景ははっきりとはわかりませんが、”入院”に関してはおそらく入院したお婆ちゃんのお見舞いに行く予定を言われているものの”入院”そのものの意味がわからず、困っていたのでしょう。
毎日やりたい放題のように見える彼女が、実は1つの言葉の意味がわからず、長いこと頭を悩ましていることを、誰が想像できるでしょう。
どんなにやりたい放題に見えても、きっと子ども達はこうしてわからないことの連続の中で必死に想像したり、仮説を立てたりして周りについて行こうと努力をしているのです。
だから子ども達が質問をしてきたら、それまでの背景を大人の側も想像して、敬意を表して丁寧に答えていく必要があると思うのです。
ま、いづれにしても誰が相手であっても、見えにくい背景に配慮しながら、敬意を表しながら、支え合って生きていけたらいいな・・
とふと思った昼下がりなのでした。