「さようなら原発10万人集会」や「九条の会」の呼びかけ人となり、文学者の立場から積極的に発言し、行動してきた、ノーベル賞作家の大江健三郎さんのインタビューが新聞赤旗に載っていました。
反原発集会の全体に関わって、以前の運動と違うものを感じているそうです。60年、70年の活動家の学生デモは普通の市民の参加を拒絶していました。その後、大江さんがヨーロッパで見たデモは、大きい数の市民が主体で広く並んで行進して、これにこそ力があると思っていたとのこと。
今、日本で起きている原発デモや集会は、大きな数の市民の静かなそれです。特定の党派が指導しているのではない、指導部がいるのでもない。デモが終わって帰っていく人たちがみな、達成感を持っているのがわかる、それが民主主義のデモだと。
大江さんはエドワード・サイードの「意志的な楽観主義」という晩年の信条に学ぼうとしているそうです。
意志的な楽観主義(オプティミズム・オブ・ウィル)とは何か。
今つらい状態で物事をやらなければならないが、しかしついには何とかなる、という信念をもっている。現状分析において楽観はしないが、しかも積極的な意志を持ち続けよう。
「意志的な楽観主義」
いい言葉ですね。
動物が虐殺されない世の中を目指してあきらめないという姿勢なんかも、この意志的な楽観主義に通じるものを感じます。
もうダメだわ・・・
なんぼ言ってもわかってもらえない・・・
世の中かわるわけがない・・・
と、つい思ってしまう時ってあるけど、「ついには何とかなる!」という信念があるからこそ続けられるんですね。
私は基本的に楽観主義、ポジティブシンキング、何とかなると思って生きてきた方ですが、今後は意志的な楽観主義を意識していこうと思いました。