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今回はポーランドのパイロットをご紹介したいと思います。なぜかというと、1926年、丁度今の時期に、ワルシャワ・東京間往復したからです。ボレスワフ・オルリニスキBolesław Orliński 大佐です。さらに、彼だけではなく、レオナルド・クビャクLeonard Kubiak 軍曹という飛行機整備士も一緒に飛んでいました。飛行機で飛んできた最初のヨーロッパ人です。
ワルシャワ発は8月27日でした。ソ連の上を飛んで、燃料補給のため、数回ソ連の数か所で着陸しました。来日したのは所沢の空港で、9月5日です。日本人に大歓迎され、日本のラジオ番組にも出ました。帝国ホテルで泊まっていました。そこでは歓迎パーティーも行われました。
二人の偉業に対し、日本国から、オルリニスキ大佐は勲六等単光旭日章、クビャク軍曹は勲七青色桐葉章を受章されました。それ以外、日本航空協会に方によりますと:「オルリンスキーOrlinski氏は確かに1926年に訪日され、9月8日午前10時、帝国飛行協会の緑色有功章がオリンスキー中尉に、紅色有功章がKubiakクビアック曹長に、久邇総裁宮から授与されております。」
日本での滞在は9月11まででした。そして、又同じ航空機を操縦し、ポーランドに帰っていきました。途中、さまざまな問題が起こったが、それを乗り換えて、無事にワルシャワに着陸しました。ただし、飛行時間がもっと長かったら、危なかったみたいです。
私はオルリニスキ氏の本を数年前に読みました。オルリニスキ氏もクビャク氏もポーランドでは知られていないです。本当に残念なことです。というのは、オルリニスキ氏はパロットのコミュニティでは何とか知られていますがクビャク氏は全く忘れ去られています。でも、彼が一緒に飛行しなければ、オルリニスキ氏一人ではフライトをこなすことができなかったでしょう。そのため、クビャク氏のことも忘れてはいけません。
第二次世界大戦後にオルリニスキ氏はカナダに移住しました。クビャク氏は日本から帰国して間もなく予備役に編入され、ワルシャワで自動車修理工場を開きました。戦争の初めに酷い運命を辿りました。1939年9月の首都空襲で殺されてしまいました。
※ウイキペディアのリンクを貼りつけてておきます。ただし、ウイキペディアですと「オルリンスキ」と書かれています。それは間違いです。苗字にはポーランドの独特な文字が入っていて、「ń」です。その文字は「ニ」と読みます。知らない人はただの「n」として読みます。飛行士名の正しい読み方は「オルリニスキ」です。【因みに、このような間違いはとても多いです。この方の場合だけではなく、他もそうです。日本語に訳すときは、誰かに訊いたほうがいいかもしれません。ポーランド人は翻訳された片仮名を読むと、どういうもんか全くわからないことが多いです。】
クビャク氏に関するリンクは以下ですがポーランド語しかありません。申し訳ございません。
日本航空協会が発行しております、『日本航空史』明治大正篇に、オルリニスキ大佐とクビャク曹長についての記述があります。
ご興味のある方は、雑誌『航空ファン』2021年5月号のp.77-79(出版:文林堂)にも写真入りでお二人の答辞も紹介されております。
オルリニスキ氏は日本への飛行についての本を書きました。数年前に読みました。表紙は以下です:
1927年にはサイレント映画「Orlę」オルレン【意味は「鷲ちゃん、鷲の子」】に出演しました。残念なことに、この映画は戦争中に焼失してしまいました。以下は、映画の聖が2枚と、私の出身地の近くにある町で上映された映画のポスターです。
オルリニスキ氏はカナダのミシサガ市に住んでいて、そこで亡くなられました。ミシサガには「ポーランド軍博物館・資料館」があります。「ヴァヴェル・ヴィラ」といい、シニアホーム内に設けられています。「Wawel Villa ヴァヴェル・ヴィラ」は、1982年に主にポーランドの退役軍人たちによって設立されました。最も有名な退役軍人の一人は、ポーランド人飛行士ボレスワフ・オルリニスキ大佐でした。彼の夢は、カナダを故郷とする多くのポーランド退役軍人を記念して博物館を作ることでした。「ポーランド軍博物館・資料館」は「オルリニスキ博物館」とも呼ばれています。その博物館には、オルリニスキが贈られた有勲証明書やクビャク氏と共に撮った写真が保管されています。
※Wawel ヴァヴェルというのは、ポーランドのクラクフ市にある城名です。
クビャク軍曹は左、オルリニスキ大佐は右、後ろはブレゲー19 A2
長文で申し訳ございません。母国でも知られていない人のことをご紹介したかったです。しかも、日本に関係のある人です。
暑い日々が続いていますので、ご身体にお気をつけてください。
引き続きよろしくお願いします。