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昨日から復活祭に時期に入りました。聖週間の初日である大事な祭日は「枝の主日」で、丁度昨日でした。「エルサレム入城の日」とも呼ばれます。キリストがエルサレムに入城したことを記念する日です。イエスはロバに乗ってエルサレムに入りました。そのときに、エルサレムの人々はしゅろ(ヤシ、パーム palm)やしの木の枝をてにとって、キリストの迎えに行きました。


ポーランドはしゅろやしの木が生えていないので、その代わりに palma wielkanocna パルマ・ヴィェルカノツナ(復活祭のパーム)という「聖枝」が作られます。で、「枝の主日」はポーランド語では Niedziela Palmowa ニェジェラ・パルモヴァ(パーム日曜日/サンデー)といいます。昔、Niedziela Kwietna ニェジェラ・クフィェトゥナ(花飾りの日曜日)または Niedziela Wierzbna ニェジェラ・ヴィェジュブナ(柳の日曜日)の名がついていました。現在でも地方によりこのように呼ばれています。

 

聖枝を作るための基本的な材料は柳、特にネコヤナギ、と葦です。柳は春に最も早く命を吹き込まれる木であり、教会の象徴として魂の復活と不滅を示すものであります。それ以外は地方にもよりますが、例えば、ポーランドの南東(私の地方)はミスミソウ、ツルニチニチソウ、クロベやツゲの小枝、ビルベリーかブルベリーの枝も使用されます。北東ポーランドの一部ですと、モミノキまたはトウヒ、ヒカゲノカズラやギョリュウモトギが使われます。ポーランドの南にある山の人たちは、セイヨウハシバミやジュニパーベリーの枝を使います。今は全体的によく使われますのはムギワラギク及びさまざまな草類(オオアワガエリなど)です。華やかに見えるように、聖枝にはドライフラワーやリボンもつけることもあります。
現在は上記の材料も他のも(麦、紙花とか)使用し、好きなように作ります。

パルマの大きさはいろいろです。15センチものもあれば、数メートルものもあります。「聖枝のコンテスト」でも行われます。

 

黄色い花  チューリップ赤  黄色い花 

 

復活祭はキリスト教の祭日ですがその中にキリスト教以前のポーランド信仰が要素も取り入れられています。聖枝に魔術や占い、癒しの力があるとされていました。聖枝が豊穣と収穫のシンボルとして、火や病気、雷、魔女などから家や住人を守ってくれると信じられていました。

 

「枝の主日」にはポーランドの人はパルマを教会💒へ持っていきます。そこでパルマが司祭によって祝福されます。

昔、教会💒を出た後、みんながお互いにパルマで触れ合ったり(現在未使用の単語 palmować się パルモヴァチ・シェン日本語にしたらパルマる”になるでしょう)、次の復活祭を迎えることができるよう、祈り合ったりしました。また、その年に初めて放牧された牛は、よく飼育されるようにと、聖枝で叩かれたそうです。

一部の地域では、喉の痛みや肺疾患が治るように、聖枝のネコヤナギの尾状花序を少量食べました。

 

パルマは聖画の後ろに入れました。特に、火事や飢えから守る聖アガタの肖像の後ろ。聖枝は家庭を守るためのものでした。畑の祝福のためにも使用されました。現在でも同じくする人もいます。主に田舎に住む人たちです。でも多くの人は聖枝を花瓶に入れます。水なし。

 

「枝の主日」の大事な習慣は聖枝を祝福することですが昔は他のもありました。「枝の主日」に、“ロバに乗ったキリストの木像を荘厳な行列の時に運んだり、または台車に乗せて移動させたりしました。こうして、イエスがエルサレム入城したとき、人々はマントとヤシの枝を彼の足元に投げ入れ、ホサナという言葉で歓迎したことが再現されました。行列の際にロバに乗ったイエス像を使う習慣は、中世から知られています。現在、ポーランドでは、数か所にしか残っていません。最近、あるところでは、18世紀に廃れた、ロバに乗ったキリストの像を「枝の主日」の行列時に使うという伝統が復活されました。そのようなイエス像はパルマのイエスちゃんといい、キリストが乗ったロバはパルマのロバちゃん”といいます。

 

どの習慣でもそれぞれの国にとって大事なものであり、できるかぎり残して守ったほうがいいと思います。習慣はその国のアイデンティティの一部です。日本も独特な習慣がありますね。先祖代々受け継がれてきた伝統ですから、ずっと守っていただきたいと思います。

 

今年も「枝の主日」を迎えることができて、感謝です。

ポーランド人としてはすごい心配でした。

平和を祈りましょう。

良い一週間をお過ごしください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下の画像は“ロバに乗ったキリスト”像を表しているものです。
ポーランドのシドゥウォヴィェツ市に1520~1530年頃彫刻されました。
現在はクラクフ国立博物館にて展示されています。

(ウイキペディアより)

 

 

 

 

 

 

 

ポーランドの南東端の都市、サノク Sanok で行われた
「枝の主日」のミサの様子です。
参加者が多くて、教会に入りきれないときは教会の前に集まります。
数メートルの聖枝も見えます。

(ウイキペディアより、Silar)