介護サービスが始まり、
舅は室内の手すりを利用して20分程度リハビリを開始した。
リハビリのセラピストは20代後半の爽やかな若者と30代の穏やかな人で、舅も姑も彼をすっかり気に入った様子であった。
4週目になると舅はなんとか、自力でトイレに行き、用を足せるようになっていった。
ワタクシも姑の愚痴を聞き流しながら、
夕食を食べる舅を見届けるように心がけで過ごし、食欲も回復してきたため、
ワタクシが食事を作り、夫が届け、姑が配膳するという分業のカタチをとることにした。
看護師は40前後のしっかりとした方で、口調も優しく、
面倒見がよく家族全員が彼女を気に入っていた。
こうしてひと月が過ぎ、ケアマネさんの訪問日を迎えることができた。
ケアマネ「そろそろ、ショートステイのお試しを決めましょうか」
姑「それはお父さんが ”うん” とは言わへんやろ」
私「でも、私たちに何かあって、いざという時に数日お世話になれる場所は確保しておいた方が安心じゃないかな」
ケアマネ「そうですね。御身内に不幸があって遠出されたり、ご家族が入院されたりすることが絶対にないとは言えませんし」
姑「アカン、アカン。そんな施設みたいなもん。知らん人しかおらんのやで、お父さんだってイヤやろ?な、お父さん!」
なぜ、ここで興奮する必要があるのか全く不可解であるが、
姑は顔を真っ赤にして、語気を強めた。
私「お母さん、お母さんに泊まりなさいって誰も言ってないんだし、そこまでムキにならなくても」
姑「ほんなら、勝手にしたらええやんか!!」
・・・なぜ、キレなければならないのだ。
ケアマネ「では、すぐにではなく、一応3週後の火曜日に予約だけいれておきましょう」
なだめるように提案してくれたからか、
姑は少しトーンダウンして「すぐでないなら、それでええわ」と投げやりに答えた。
舅は姑の背後でただただ、笑顔で「うんうん」と頷くだけだった。
この時は、なぜ姑が頑なに舅のショートステイを反対したのか。
全く理解できていなかった。
舅は理解していたのかもしれないけれど・・。