ある児童の苦悩1 | 同居嫁のため息

同居嫁のため息

久しぶりに帰って来ましたぁ! 実録、「渡る世間…」。

あれはまだ、息子が小学5年生の頃だ。

息子を塾まで送り、買い物から帰ってみると
息子の同級生 コウちゃんが膝小僧を抱えて、我が家でテレビを観ていた。

私:「あら、コウちゃん。真っ赤な目をして、どうしたの?(息子は)塾行っていないよ。」

彼の家はひとり親家庭だ。
高校3年生である7歳年上のお兄ちゃんとお母さんと3人で暮らしている。

6歳上のお兄ちゃんはその年の春、
辻調を卒業し温泉場で料理人の修行中であり、料理が苦手な3人が家に残された。

料理が得意なお兄ちゃんがいなくなった今、
コウちゃんとお兄ちゃんが家事の分担をして彼らは生活している。 お母さんは家事一切をしない。

コウちゃんは最近、色んなお友だちの家を見て大きな疑問を持っているのだ。
他のひとり親家庭では自分のようにご飯の用意をさせられている子どもを見たことがないという。

今日はお父さん家庭のお友だちの家に遊びに行って、大きな疑問と不満を抱えて帰ってきたらしかった。
こうちゃんのお家とは真逆のその家では、子どもたちは子どもはご飯の用意をしない。
数年前にお母さんが置いて、恋人と一緒にかけおちしてからというもの全ての家事をお父さんが頑張っていた。

いつもアイロンがきちんとかかった清潔な服装で、
子どもたちもキチンと挨拶のできる躾の行き届いた家庭であった。

お父さんだけなのに、ご飯の用意もしない。キレイな家。
自分では持つことのできない数々のゲーム、
お父さんのメッセージとともに用意されたおやつ・・・。

どれもこれも、こうちゃんにとっては驚きの連続だった。

こうちゃん:「フツーの家と変われへんのや。お父さんとお母さんがいる家と変われへんねん。ぼくの家もお父さんがいてるときは、ぼくが幼稚園のころは、あんなんやってん。いつも喧嘩ばっかりしとったけど、ホンマにフツーの家やってん。」

こうちゃんの真っ赤に腫れた目からまたボロボロと涙がこぼれた。

私:「どないしたん?お母さんと喧嘩?」
ワタクシは穏やかな声を心がけるようにした。
この少年は今、傷だらけだ・・・そう思ったから。

こうちゃんはどうやら、ご飯の支度をさせられることに納得がいかなかったらしい。
その日、お母さんは仕事ではなく、デートに行っていた。

こうちゃんのお母さんには、長らく交際している男性がいた。
お互いに3人の子どもを持つ、ひとり親家庭である。
長くつきあってはいるが、再婚する気はないという。
6人もの子どもの面倒を見るのは彼女にとって大きな負担である。

以前、こんなことがあった。
出会い頭に「急にカレに会いたくなって仕事帰りにまっすぐ行ったから、今日はカレの家からまっすぐ出勤だったの」と「お久しぶりですね」と声をかけたワタクシに嬉しそうに語り出した。

勿論、そんなことに興味は全くない。
でも、彼女は誰かに話したかったのであろう。

そら、彼女もシングルだ、恋愛する権利を主張することを否定するワケにはいかないが、その前に彼女は母親である。しかも、その日は平日だ。勿論、学校は休みではない。

彼女は家庭や子育てに関しては、ほぼ放棄状態であった。
だから、遠足のお弁当を作るのが面倒だと言って、遠足を休ませたこともあるし、
林間学校の時には、吉野家の牛丼をお弁当の代わりに持たせて子どもたちの間で噂になったりもした。

そんな彼女が日々のご飯支度などするハズがないのだ。

その日も自分の境遇に疑問を抱き、反発心をむき出しにしたこうちゃんは「ぼくやって、ご飯支度なんか、したない!」と当番を放棄したのだ。アルバイトから帰った高校生のお兄ちゃんが「ウチにはウチのルールがあんねんで、イヤなら出て行ったらええやん!出て行け!!」と怒鳴ったらしいのだ。

主婦だってご飯が面倒でお外ごはんにしましょーって時がある。
でも、こうちゃんにそんな選択肢はない。

こうちゃんママ:「こうちゃんがご飯用意してくれないと困るんよ」
お迎えにきて第一声、お母さんは彼に言い放った。

お母さんが我が家に迎え来ると自宅から電話してきたのは18時だったが、迎えに来たのは19時半だった。
お兄ちゃんとご飯を食べに行ってから我が家へお迎えに来たと言うのだ。

こうちゃんママ:「働かざる者喰うべからずや」

こうちゃんはもう、既に我が家で夕食を済ませていたが、ワタクシはあえてそのことには触れなかった。もしも、そんな事実が分かれば、折檻されかねない。そんな雰囲気だったのだ。

私:「お母さんもお仕事して、家のこともって言うのは、大変なんは分かんで。でもなぁ、子どもやって、サボりたい時もあんで。私なんて、しょっちゅやで。」

しかし、彼女は自己チューである。ワタクシのコトバなど聞いてはいない。

目の前にいる彼女は我が家に世話をかけたとか、ありがとうでも、ごめんねでもなく、ただただ「ご飯が出来ていないと困る」ことを主張し続けているのだ。

せめて、私の不在中に世話になった舅&姑にくらい声をかけるのが筋であろう。

しかし、次の言葉でワタクシは、そんな期待をしても無駄であると思い知らされることになった。

「ホンマに子どもなんて産まんかったら良かったなぁ」と笑いながらそう言い放つ彼女。

こうちゃんの真っ赤な目がワタクシを見つめていた。
心が締め付けられるほど苦しくなった・・・



※この記事はMiccaBowz(裏同居嫁ブログ)閉鎖により、こちらに転載させていただいております。


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