初任給のこと
考えてみますと「初任給」というものは不思議なものです。
能力、学力等の違いの如何を問わず、誰でも同じ基本給からのスタート。新卒者であっても、適性検査、能力検査、面接等の選考を経て採用に至ることを考えれば一律でいいのかといった議論も今後はありかと思っています。採用側からすれば一律のほうが管理がラクであることは合理的理由ではありますが、新卒一括採用、一律昇給など一律的な人事施策はそろそろ限界にあるのではというのが私の仮説です。
労務行政研究所の調査による2010年3月卒者の初任給予測があります。
この予測は、主要企業の春闘賃上げ率や有効求人倍率等の想定値を基に2010年の水準を予測したものだそうです。
大学院(修士) 22万 500円、0.01%
大学卒(事務・技術) 20万3300円、0.01%
短大卒(事務) 17万2500円、0.01%
高校卒(事務・技術) 16万1600円、0.01%
私の初任給はねんきん定期便からみたところ14万円ほどでした。およそ25年間で6万円ほど上がった計算ですね。
大卒者の初任給が20万円にのったのは平成15年。以来ほとんど変わっていません。詳細に見ていけば今日までむしろ微減傾向とも見えます。
面白いのは、賃金統計基本調査ではいまだに男女別に調査がなされている点です。さらに面白いのは、企業規模別調査では男性の賃金が女性の賃金より高いのに対して、産業別に精査しますと、女性のほうが初任給の高いものも散見されます。
労基法4条は男女間の賃金差別を禁止した条文ですが、男性は総合職、女性は一般職というコース別管理がおおむね一般的に多いという理解からすると、もちろん明確に4条違反とはいえません。ただし、均等法にある間接差別の問題は考えられそうです。