グループ内派遣(専ら派遣)
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今回は、グループ内派遣(いわゆる「専ら派遣」)問題を考えます。
まずは、グループ内派遣ってどのくらい行われているのでしょうか。研究会報告書参考資料によると、グループ内への派遣の割合が8割以上と解答した大手企業は7割にも達したとあります。派遣先業種を見ると、情報通信業28.9%、製造業25.8%、金融・保険業24.4%となっています。
グループ内派遣を専門に行っている派遣会社はそもそも許可されません。根拠は、派遣法7条1(許可基準)「当該事業が専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるもの(雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合として厚生労働省令で定める場合において行われるものを除く。)でないこと。」です。
また、専ら派遣を行っている派遣元に対して、派遣法48条2(勧告)「厚生労働大臣は、労働力需給の適正な調整を図るため、労働者派遣事業が専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われている場合において必要があると認めるときは、当該派遣元事業主に対し、当該労働者派遣事業の目的及び内容を変更するように勧告することができる。」と定めています。
なぜ、専ら派遣はダメなのでしょうか。
「今後の労働者派遣制度の在り方の関する研究会報告書」によれば、いわゆる「専ら派遣」は、特定の派遣先の常用労働者の代替を専属的に実施することになり、適切な労働力需給調整機能を果たさないため適切でないと説明します。
グループ内に派遣会社をつくって、そこをトンネル会社のように使って派遣労働者を受け入れグループ内の雇用調整を目的にすることは、やはり本来の派遣法の趣旨からすれば問題があります。賃金が切り下げられたり、簡単に労働力の切捨てが出来てしまいます。
専ら派遣の判断基準は、
①定款、寄付行為、登記簿謄本等に、事業の目的が専ら派遣である旨の記載等が行われている場合
②特定の派遣先以外からの労働者派遣要請を正当な理由なく断っている場合
③派遣先の確保のための努力が客観的に認められない場合 となっています。
労働者派遣法では、専ら派遣に該当する事業所に対し、事業停止命令または許可取消し処分を課すと定めています。ただし、派遣元が雇用する派遣労働者のうち、60歳以上の派遣労働者(他の事業所を60歳以上で定年退職した後に雇い入れた者に限る)が全体の3割以上を占めている場合のみ、例外的に専ら派遣が認められています。
今回の報告書でグループ内派遣の割合を8割以下に抑えるという数字がはっきり示されたことは意義があります。あちは実効性をどう担保するかでしょう。
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採用コンサルタント 田中謙二