日本の刑罰は重いか軽いか | tanakasrのブログ

日本の刑罰は重いか軽いか

日本の刑罰は重いか軽いか (集英社新書 438B)

比較刑事法の研究者である王雲海Wang Yunhai一橋大学大学院法学研究科教授の著書。日本の刑罰を具体例を挙げながら米国、中国と比較し解説しており分かりやすい。比較刑事法は学んだことがなかったので新鮮だった。他国の事情と比較することで改めて犯罪とは何か、刑罰とは何かを考えさせられる。なかなかおもしろい学問だと思う。新しい発見をメモしておきます。

 

中国事情

臓器移植の多くが死刑囚のものであり金銭売買が行われているという事実。死刑囚が生前臓器提供に同意した場合や家族親族や同意した場合に可能であること。パンダ1匹殺しで死刑が行われていること(中国刑法典第151条)。絶滅の恐れがある希少動物の保護が理由らしいがこれには驚いた。95年ごろ四川省で皮を剥いで香港で売りさばこうとして三頭のパンダを殺した農民に対して、主犯2人に即時執行の死刑が執行されたという。死刑執行を現場で指揮するのはその判決を言い渡した裁判官本人だということ。筆者はこのことから裁判官になることをやめたとある。日本では考えられないし、これでは裁判官のなり手が居なくなるのではないか。

 

米国事情

刑事事件の約9割が司法取引で処理され公式な裁判にならないという事実。残った1割の刑事事件のうち約5%は裁判官による裁判で審理されるので陪審裁判になる刑事事件はせいぜい5%程度だという。つまり、事実上、米国における陪審裁判は例外中の例外だという。しかも、近年陪審裁判の件数は減少傾向にあるという。

 

来年521日施行の裁判員制度は米国の陪審制度を参考に米国の市場開放要求の影響で決定された面があるといわれているがどう考えたらいいのか。先日あるラジオ番組で日本の死刑の現場の音源が流されたらしい。何を意図してのことか聴いていないのでわからないが、来年始まる裁判員制度と無関係ではないだろう。日本の刑罰が徐々に厳罰化に向かうなか始まろうとしている裁判員制度。過去に陪審制度が中止された歴史もある。閉ざされた司法から開かれた司法への転換は結構なことだとは思うが日本の文化に合うかどうか疑問は消えない。

 

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今日もお付き合いくださいましてありがとうございました。

 

採用コンサルタント 田中謙二