安全配慮義務
労働者が勤務中に事故などに遭わないように、使用者側において労働者の安全に配慮すべき義務。労働者が勤務中に被った損害については、当初不法行為の問題として取り扱われた。やがて、使用者が労働者に対する安全配慮を怠った債務不履行の問題として扱われるようになった。
雇傭契約は労働者の労務提供と使用者の報酬支払をその基本内容とする双務有償契約であるが、使用者は労働者が使用者の指示の下に労務を提供する過程などにおいて労働者の生命及び身体等を危険から保護するよう配慮すべき義務(安全配慮義務)を負っている旨判事(川義事件 最判昭59・4・10)
有斐閣「法律用語辞典第3版」より
大阪府門真市の精密機器製造会社社員として勤務中に脳内出血で倒れ、意識が戻らない後遺症が残った大阪市内の男性(33)や母親らが「脳内出血は過労による」などとして、同社に約5億8600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、大阪地裁であった。 田中敦裁判長は、過労と脳内出血との因果関係を認め、介護費用など約1億9800万円の賠償を命じた。
判決によると、男性は1998年に入社し、情報処理業務を担当。2001年4月に別の部署に異動して業務引き継ぎなどで多忙となり、12日連続で出勤した。同13日に勤務中に倒れ、現在も意識はなく全身介護が必要という。
判決で田中裁判長は「異動後12日間の時間外労働は約61時間で、労災認定基準(発症前1か月に約100時間)に照らして過重」と指摘。「会社は労働時間を正確に把握せず、長時間勤務の改善措置も講じずに放置した」と安全配慮義務違反を認定した。(2008年4月29日00時49分 読売新聞)