マクドナルドの「名ばかり管理職」問題を考える
採用コンサルタント、田中謙二のブログへようこそ。
新聞報道はみなさんよくご存知だと思いますので、そこからはよく見えなかった制度の背景、考え方を見るために5月20日のマクドナルドのHPから引用します。
新報酬制度の導入、及び労務管理体制の整備に関するお知らせ
日本マクドナルド株式会社(本社:
マクドナルドでは2004年以降、お客様のご満足を最大化することを目的として、(1)適材適所の人材配置、(2)定年制度の廃止、(3)ジョブポスティング(社内公募制度)の拡大、2005年度からは、(4)「優秀な社員にはその成果を認めてその分の報酬を払う」の原則に基づく成果報酬体系を導入するなど(次頁参照)、人事制度改革を行い、社内組織、人材の強化に努めてまいりました。この取り組みにより現場力は高まり、その結果この4年間で1,075億円のシステムワイドセールスの増加を実現いたしました。
さらに、社会状況の変化に伴った一層の人事制度の改革が必要となっており、この度、労務環境、社員の意識=プライドとモチベーション、エクゼンプション・ノンエクゼンプションの定義に対する議論の現実を踏まえ、社員の力を最大限に発揮できる新報酬制度の導入、及び労務管理体制の整備を実施いたします。
この取り組みは、(1)より成果に見合った公正な報酬制度の導入、(2)さらに残業を含めた労働時間を明確化した労務管理と残業手当の支払い、などを柱としています。社会の認識、報道の内容を踏まえ、企業信頼の観点で全国の直営店舗の店長のみならず、複数店舗の管理・助言業務を行うエリア営業管理職(AMD)も対象といたします。
また、この制度のより適正な運用のため、「労務監査室」を設置し、社員のワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を向上させる環境の整備とより高いレベルの労務管理を実行いたします。
一方で、会社は社員が自己啓発、職能訓練、家族や友人との交流、地域活動への参加などの活動を今まで以上に進めていくことができるよう、様々な支援プログラムを検討しています。新システムの下、社員が心身の健康を維持し、能力の開発および創造力の向上を図ることで、顧客サービスの更なる向上につながるものと考えます。(引用、ここまで)
報道によれば、新報酬制度は職務給を廃止し、従来と同額の基本給に加え、成果給と時間外労働手当(残業代)を支払う。総人件費に増減はないといいますが、いまの労働基準法は37条で労働時間の長さと休日労働、深夜時間について割増賃金の支払いを求めています。37条を厳格に守ろうとすれば総額人件費を変えないという調整が可能だろうかという疑問が生じます。変えないということは経営の意志ですから、それを店長さんが業務命令として行うとすればどうなるか。サービス残業につがならないとはいえません。店舗の人件費があがれば成果主義で評価される店長の評価が下がる。店長は自分の給与を守るためにサービス残業をしてしまう可能性は否定できないでしょう。そこを経営がどのように管理でして行くのか。
社内には三つのことを言っています。一つは、上司に対して正しい異論を唱えて、どんどん議論してほしいという点。二つめは、リスクがあっても新しいことをやる意識の徹底。そして三つめは、先にも触れましたが、「お金が必要だと思ったら、金をくれと言える社員であってほしい」ということです。(日経BP NET2005年2月21日 新社長を直撃!日本マクドナルド その1〜強いところをより強くしていくのが経営より)
さて、マック(アップルコンピューター)からマックに転身した原田泳幸社長。外資で長年培ってきたマーケティングのプロとしての手法がどこまでマクドナルドに通用するのか。注目です。
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採用コンサルタント 田中謙二