改正労基法 通達(3)
平成21年5月29日、来年4月1日から施行される改正労基法に関する省令、告示が公布されるとともに、改正法令の内容を解釈した施行通達が発出されました。実務上重要なポイントについて5回に分けて解説していきます。施行通達(「労働基準法の一部を改正する法律の施行について」 基発0529001)
3.代替休暇
労使協定を締結すれば、改正法による引き上げ分(25%から50%に引き上げた差の25%分)の割増賃金の支払いに代えて、有給の休暇を付与することができることについて
①代替休暇を実施する場合、代替休暇に関する事項を就業規則にも記載する必要がある。
②代替休暇として与えることができる時間の時間数の算定方法は次のとおり。
代替休暇として与えることができる時間の時間数=(1カ月の時間外労働時間数-60)×換算率※
※換算率とは、労働者が代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率(5割以上)-労働者が代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金(2割5分以上)
③代替休暇の単位は「1日」または「半日」。
「1日」とは1日の所定労働時間をいい、「半日」とはその2分の1をいう。「半日」については、必ずしも厳密に1日の所定労働時間の2分の1とする必要はないが、その場合には労使協定で「半日」の定義を定めておくこと。
④労使協定で定めれば「代替休暇以外の通常の労働時間の賃金が支払われる休暇」と代替休暇を合わせて1日または半日の休暇とすることができる。労働者が請求した場合は、代替休暇以外の休暇として時間単位年休を活用することも可能である。
⑤代替休暇を付与できる期間は時間外労働が1カ月60時間超の当該1カ月の末日の翌日から2カ月以内とする。労使協定で定める付与期間はこの範囲内で定める必要がある。労使協定で1カ月を超える付与期間が定められている場合には、前々月の時間外労働に対応する代替休暇と前月の時間外労働に対応する代替休暇とを合わせて1日または半日の代替休暇として取得することも可能である。
⑥1カ月60時間超の時間外労働に係る割増賃金の支払日は労働者の代替休暇取得の意向に応じて、次のようになる。
イ.労働者に代替休暇取得の意向がある場合
現行でも支払義務がある割増賃金(2割5分以上の率で計算した割増賃金)について賃金支払日に支払う。代替休暇取得の意向があった労働者が実際には取得できなかったときには、代替休暇を取得できないことが確定した賃金計算期間に係る賃金支払日に、今回の改正法に基づく割増賃金(法定割増賃金率の引き上げ分の割増賃金)を支払う必要がある。
ロ.労働者に代替休暇取得の意向がない場合、労働者の意向が確認できない場合等
法定割増賃金率の引き上げ分も含めた割増賃金(5割以上の率で計算した割増賃金)について、当該割増賃金が発生した賃金計算期間に係る賃金支払日に支払う。法定割増賃金率の引き上げ分も含めた割増賃金が支払われた後に、労働者から代替休暇取得の意向があった場合には、代替休暇を与えることができる期間として労使協定で定めた期間内であっても、労働者は代替休暇を取得できないこととすることを労使協定で定めてもよい。
⑦代替休暇を取得して終日出勤しなかった日は年休の算定基礎となる全労働日に含まない。