正規雇用と非正規雇用 | tanakasrのブログ

正規雇用と非正規雇用

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正規雇用契約と非正規雇用。そもそも雇用に正規、非正規があるのだろうか。この種の区分けは役所がよく使う。最近の例ではバッシングの象徴「後期高齢者」でしょう。厚生労働省の白書データベースで調べてみると、1926(昭和元)年から2008(平成20)年の間に非正規雇用は193件登場する。初めて白書で非正規雇用という言葉が使われたのは『平成7年版労働経済の分析』の中の「非正規雇用者の失業者の推移」という箇所。このころの雇用情勢について、同白書は「1991年(平成3年)から景気後退が続いていた日本の経済は、1993年10月を谷として緩やかな景気回復過程に入った。しかし、1994年に入っても完全失業率はなお上昇を続け、求人倍率は低下に歯止めがかかったものの、なお低い水準にとどまるなど、雇用情勢は厳しい状況で推移した」とある。正規職員の失業率と比較して非正規職員のそれが高いと紹介している箇所で非正規雇用という語が登場した。その後の、白書の見出しを追っかけると、

女性の非正規雇用者は10年間で約6割の増加(平成8年版)

非正規雇用導入の理由は「人件費節約のため」(平成8年版)

家庭責任と職業との両立のための非正規雇用(平成8年版)

女性は学校卒業時に正規雇用、再就職時に非正規雇用を選ぶ(平成8年版)

景気要因ばかりではない学卒無業の増加(平成12年版)

雇用の不安定化と就業形態の多様化の影響(平成18年版)

自発的離職失業者は2005年に入り増加(平成18年版)

若年層では正規雇用割合の低下が鈍化平成18年版)

製造業にも広がる非正規雇用の活用平成18年版)

事業所は、労務コスト削減のために非正規を活用平成18年版)

要員の迅速な確保、雇用調整・雇用管理の容易さがメリット平成18年版)

経験を積んでも高まらない非正規従業員の年間収入平成18年版)

厳しい若年者の結婚をめぐる環境平成18年版)

正規雇用の勤続傾向の強まりと非正規雇用による雇用の柔軟性平成18年版)

製造業で広がる外部人材の活用と若年労働者が抱える問題平成18年版)

格差の固定化を招かないための職業能力開発の充実平成18年版)

上昇傾向にある非正規雇用割合平成19年版)

正規・非正規の賃金格差平成19年版)

 

平成8(1996)年頃までは非正規雇用は女性固有の問題とされてきたが、平成3(1991)年から平成14(2002)年にかけての平成不況において、企業はリストラの大合唱で雇用調整を行った。つまり、正社員を抑制しパート、アルバイト、派遣といったいわゆる非正規雇用に置き換えて人件費を抑制した。その後、景気が回復した局面でも非正規雇用者は正規雇用されることなく固定化してしまった。こんな流れが白書を時系列で追っかけるとよく分かる。そして今、両者の格差拡大が顕在化し、パートタイム労働法の改正などで行き過ぎた振り子を戻そうとしている。

 

舛添要一厚労大臣が昨日、通訳などの専門職種を除き日雇い派遣の原則禁止に言及した。日雇い派遣大手のフルキャストの株価がストップ安で比例配分されるなど市場も反応した。働きたくても日雇いでしか働けない人たちがいるという日本の現実を大臣は分かっているのだろうか。

彼ら彼女らのためのセイフティーネットをやらないで禁止は現実的でないし、そんなことが通れば政治の無策を問われるだろう。経営側の要請に応えるように派遣法をどんどん規制緩和させて非正規雇用の拡大の手助けをしたのはあきらかに政府だ。今になって緩めた栓を一気に締めたら影響を受けるのは非正規雇用者たちだ。いま雇用形態の選択肢を安易に狭めるべきではない。先週秋葉原で犯罪史上希な悲惨極まりない事件が起きた。元派遣社員の犯行だと報じられている。この事件に関しての報道を見ると派遣が悪いと暗に言っているかのような内容も見受けられるが、それはあまりに短絡的な考え方であり安易に言うべきでない。事件は今後の捜査で原因が明らかにされるのであり決め付け的報道は控えるべきだ。事件は事件、日雇う派遣の問題とは分けて考えたい。

 

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採用コンサルタント 田中謙二