女女格差
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思えば格差問題が広く一般に語られる世の中になりました。もちろん格差は昔からあったわけで、ことさら新しい問題ではないでしょうが、格差といった場合に格差を言う人の立場やその人の置かれた境遇で捉え方が大きく変わることが一般的でしょう。恵まれた環境で育ってきた人の考える格差とそうでない人とでは、あきらかにモノサシが違うわけで、そこでは議論がかみ合うことはありません。
格差が今ほど言われるようになったのは勝ち組、負け組みと言われだしたころからでしょうか。その象徴は、ヒルズ族だったのでしょう。そのヒルズ族もいまは昔ですね。非正規雇用者の増加が所得格差を生み出し、今、格差といえば多くが所得格差という理解でしょうか。
さて本書です。今まで男女間格差を論じた書物は多いのですが、女性同士の格差を正面から書いた点で「女女格差」は新しい感があります。著者は、格差を語るときには「機会」の格差と「結果」の格差を峻別することが重要であると指摘しています。なるほど、努力した人と努力しない人がいた場合に当然努力は報われるべきでその結果格差が出来たとしても容認されることに異論はありません。問題は、機会が平等に与えられない結果として格差が生じている場合です。本書でも同様のことを言っています。
世の中、まだまだ機会が均等に与えられず結果格差を生じている例が多く存在します。例えば、コース別雇用管理制度において、総合職の多くが男性であり、一般職の多くが女性であるということ。そのこと自体は採用時に個人が選択したことなのでその結果賃金格差ができても仕方ないことです。問題は、むしろその後です。つまり、採用時にコースが決まったらその後の転換がほとんどできないという現実です。長い職業生活では自分が想定していない様々な変化が起こります。転換できる機会ももっと緩やかにすべきだと思います。
改正均等法で間接差別法理が導入されたことは大きな前進でした。ただし、間接差別が限定列挙に留まっているという世界でも珍しいものなので、付帯決議が盛り込まれたとはいえ早くグローバルスタンダードにすべく改正が待たれるところです。
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採用コンサルタント 田中謙二
