水着騒動に関連して | tanakasrのブログ

水着騒動に関連して

男子200メートル背泳ぎで世界新を出した入江選手が着たデサント製の水着について、国際水泳連盟よりモノ言いがついて、世界記録として公認されない可能性が出てきたと報じられています。国際水泳連盟は、レーザー・レーサーを着用して新記録が連発した以降、新規定を導入したようです。問題の背景に、新基準について、具体的な検査の基準や方法を開示していなかったことが指摘されています。(以上、2009年5月21日『日経新聞朝刊』より一部抜粋)

基準が明確でないと現場では混乱がおこります。同様の問題は、労働法の世界でもしばしば起こります。例えば、日本マクドナルド事件で騒がれた「名ばかり管理職問題」です。地裁レベルの裁判例は多数あるものの、最高裁判断がなされていないため、判例として管理監督者の判断が固まったものがありません。したがって、行政通達(行政内部で出される指針のことをいう。目的は法令の解釈を助けるもので、法的拘束力はないが、行政は通達にしたがって事務を行うため事実上民間企業に与える影響は大きい)をよく読んで、個々に判断しているのが現状です。個々の判断となると、自分の有利な解釈をしがちになるのが人情で、その結果、労使トラブルが起こるという図式になります。

労基法41条2号の管理監督者と言えれば、労働時間・休憩・休日の適用が除外され、したがって、割増賃金の支払いも不要となります。一方、管理監督者でないとなれば、当然割増賃金の支払いはもちろん、厳格な規制を受けることになるのです。労働者にとって、労基法上の管理監督者にあたるあたらないは大問題です。当然その基準は誰が見ても明確でなければなりません。が、通達では、「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」を管理監督者というと書いてあります。○○的なんて大括りな表現に留まって結局よくわかりません。

実務ではどう考えたらいいのでしょうか。労働時間・休憩・休日の適用が除外されるような働き方は、労基法の趣旨からして例外中の例外なんだ。だから、極めて狭く解釈することが基本だと考えます。この考え方を基に個々の会社で個々の労働者について検討してみることが労務管理上重要ではないかと思います。労務費との兼ね合いで実務的には悩ましい問題ではありますが、避けては通れません。行政は通達にしたがって監督指導をします。自社ルールがあやしいなあと思ったら通達をよく読んで、対策をすることがリスク管理としても重要でしょう。

採用コンサルタント 田中謙二