虚身 その3 | 百火繚乱

百火繚乱

特撮大好きです。変身する前も後も、変身した中の人も、声の人も好きです。
ゴーカイジャー、シンケンジャー、仮面ライダー中心かな。
シンケンジャーの小説、殿様で恋愛小説も書いてます。

 翌朝、栞が一人になったタイミングで、彦間が近付いてきた。が、何か言いにくそうな様子をしている。
「昨夜の事ですか?」
栞の方から切り出した。夜中に丈瑠が部屋を出たのを、黒子が誰か気付いたのだろう。
「はあ、昨夜殿が・・・」
「夜中、部屋へ来られました。夢を見たのではないかと」
「夢、ですか?」
「怖い夢を。そんなご様子でした」
心配そうに話す栞に、彦間が小さく頷く。
思い出したのは、幼い日の丈瑠。
彦間が育て始めてすぐの頃、丈瑠はよく夜中泣きながら彦間の部屋へ来た。
丈瑠の父親は、丈瑠の目の前で命を落とした。

その光景を、夢で見るたびうなされて。
でも、遠い子供の頃の話だ。
何故また悪夢など。
「丈瑠様を、お叱りにならないでください」
昨夜の丈瑠は震えていて、あんな丈瑠を見るのは初めてだった。
彦間が優しく笑う。

別に叱るつもりはなく、ただ、夜中に丈瑠が栞の部屋を訪ねるなど、ただ事ではないので、その理由を聞きたかっただけだ。
「先日の毒のせいで、何か、戦っていた時の記憶でも蘇ったのでございましょう」
この間、しばらくぶりに外道衆の毒気に当てられた。
また戦っていた時の記憶が蘇ったとしてもおかしくはない。


そして、その理由は丈瑠の方から持ち掛けられた。





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