星降る夜に その8 | 百火繚乱

百火繚乱

特撮大好きです。変身する前も後も、変身した中の人も、声の人も好きです。
ゴーカイジャー、シンケンジャー、仮面ライダー中心かな。
シンケンジャーの小説、殿様で恋愛小説も書いてます。

でもその手はまた離れて、栞がゆっくり目を開けると、丈瑠は横を向いていた。
「もう遅いから、寝ろ」
目を合わせないまま言われた言葉に、胸が苦しくなる。
優しいのか冷たいのか分からないけど、もう少し傍にいたくて。
「・・・・ここに、いたい」
消えそうな声で呟くと、そっと丈瑠のシャツをつまむ。
横を向いたままの丈瑠の、眉間にわずかに皺が寄る。
「信用しすぎだ」
言葉の意味が分からない様に、じっと見上げる栞に、丈瑠も諦めた様に、小さく息をついて、部屋へ促すとカーテンを閉めた。
「ここで寝るか?」
後ろを向いたまま聞かれて、栞が驚いて後退る。
もう少し傍にいたいと思ったけど、そこまでは考えてなかった。
黙ってしまった栞に、振り返った丈瑠は、優しく笑っていた。
「部屋へ戻れ。もう遅い」
また後ろを向いてしまった丈瑠に、さっきの言葉は、栞を部屋へ帰すためだと解ったけど、傍にいたいと思う気持ちの方が強かった。
気が付くと、丈瑠の背中に抱きついていた。
ずっと苦しかったのは、こんな風に丈瑠に触れたかったからだと気が付いて、ぎゅっとしがみつく。
突然の栞の行動に、驚いた丈瑠が、我に返って、腰に回した手をゆっくり解いて、栞に向き直った。
「どうした?」
怪訝そうに聞かれても、栞は顔も上げられず、唇を噛んでいる。理由など、栞にも分からない。
何も答えない栞に、丈瑠はためらいながら、握りしめていた手でそっと頬に触れると、顔を上げさせる。

戸惑う様に泳いだ栞の視線が、丈瑠を捉えると涙が零れて、丈瑠は、ものすごく困ったように顔をしかめてから、そっと涙を拭った。

「少しだけだ」

独り言のように小さく呟いて、栞を引き寄せると、抱きしめたままベッドに座り、少しだけでも、傍にいる事を許してもらえて、栞はゆっくりと体を預けた。




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