星降る夜に その6 | 百火繚乱

百火繚乱

特撮大好きです。変身する前も後も、変身した中の人も、声の人も好きです。
ゴーカイジャー、シンケンジャー、仮面ライダー中心かな。
シンケンジャーの小説、殿様で恋愛小説も書いてます。

丈瑠の携帯が鳴って、源太からのメールが届く。
『俺たち、先帰る。後はお二人で。
もう最終終わって帰れねえから。
じいちゃんには内緒にしといてやるよ。じゃあな』
それを見た丈瑠の顔色が変わって、すぐに電話をかけるが、もちろん三人とも繋がらない。
「どうしたの?」
慌てた様子の丈瑠に、栞が首を傾げる。
電話をかけるのを諦めた丈瑠が、頭を抱えて、源太からのメールを見せ、栞が覗き込む。
「皆さん、帰ってしまわれたのですか?」
ようやく丈瑠の慌てている理由が分かって、栞も青ざめた。
「どうしよう」
丈瑠が深くため息をついて、栞を見た。
「大体どうしてこういうことになった?」
この別荘へ来る事へなった理由から尋ねられ、ただ丈瑠の誕生日を祝おうと思って、源太に相談したら、遠出する事になったと、栞が申し訳なさそうに話し、丈瑠がもう一度ため息をつく。
「普通にすればいいだろう」
源太に相談した辺りから、丈瑠の眉間にシワが寄り、最後は呆れた声で叱られる。
「・・・普通が、分からなくて」
消え入りそうな栞の声に、丈瑠が気まずそうに顔をしかめた。
「責めてる訳じゃない。分からないなら、源太に聞くのだけはやめろ。ややこしくなる」
「流ノ介さんにも言われました」
「流ノ介も止めておけ。あいつも自分で思ってる程まともじゃない」
随分な言われ様に、流ノ介もくしゃみをしていそうだが、それ以上下げられないくらい項垂れた栞が、それでも小さく頷いた。
「・・・車を、呼びますか?」
列車はなくなっても、タクシーを呼べば帰れない訳でもなく、俯いたままの栞が、小さく尋ねる。
「いや、初めから泊まるつもりだったんだ。別に構わない」
間を置いてから答えた言葉に、顔を上げた栞の視線が、丈瑠とぶつかって、丈瑠が先に目を逸らした。
「寝る」
立ち上がってさっさと自分の部屋へ向かう丈瑠を見送って、リビングに残された栞は、自己嫌悪のあまり泣きたくなった。
ただ丈瑠の誕生日を祝おうと思っただけなのに、結局丈瑠を怒らせて、何をしにこんな所まできたのか分からない。
泣きたい気分のまま、栞も部屋に戻るため階段を上がっていく。
時計はもうすぐ十二時を指しそうで、本当なら、源太達と丈瑠の誕生日を祝っているはずだった。
栞は、自分の部屋ではなく、丈瑠の部屋の前で足が止まる。




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