第7幕ノ3 | 百火繚乱

百火繚乱

特撮大好きです。変身する前も後も、変身した中の人も、声の人も好きです。
ゴーカイジャー、シンケンジャー、仮面ライダー中心かな。
シンケンジャーの小説、殿様で恋愛小説も書いてます。

屋台には、流ノ介と千明がもう待っていた。
「お、丈ちゃん、やっと来たな。栞ちゃん久し振り」
源太が栞に軽く手を振って、椅子を勧める。
街にシンケンゴーカイオーが現れた。シンケンジャーの力を、海賊達が手に入れた事は既に分かっていて、丈瑠が黙って席に座るのを、三人が睨む様に見ている。
 相談もなくシンケンジャーの力を渡してしまった事を、責められるのかと、丈瑠が三人を見回した。
「言いたい事があるならさっさと言え」
仏頂面の丈瑠に、三人が笑い出す。
「別に怒ってる訳じゃないよ、丈瑠。俺たちも、こうした方がいいんじゃないかと思ってた。な?」
千明が同意を求めて、流ノ介と源太も頷く。
「お前達・・・」
丈瑠の表情が少し緩んで、流ノ介と目が合った。
「何ですか、殿。私は反対するとでも思ってたんですか?」
図星を指されて、丈瑠が目を逸らす。栞もさっきの会話を思い出し、口を押さえて微笑む。
「栞さんまで、殿、どういうことですか」
「仕方ないって、流ノ介。俺も、流ノ介が海賊を認めた事に驚いたし、な、源ちゃん」
「そうそ。海賊のところへ力を取り戻しに行くって、流ノ介が一番うるさかったもんな」
「それはお前達も同じだろう」
「でも、流ノ介が一番だったって」
まあ、当たっていない事もないので、流ノ介がそれ以上は黙る。
「何故、意見を変えた?」
三人とも、力を取り戻すという事で、意見が一致していたから、こんなにあっさりと認めた事に、丈瑠が首を傾げる。
「そりゃ、丈ちゃんと一緒だよ」
「そ。俺たちだってさ、今まで、ちゃんと見てきた。あの石臼頭が出てくるたびに戦いながら、あの海賊達の戦い方を。まあ、最初はさ、こいつら、いつ気が変わって地球を見捨てていくんだろう。って思ってたけど、でも、あいつら、ザンギャックが攻撃してくるたびちゃんと戦っててさ、その内思ったんだ。こいつらに、俺らの力全部預けたら、本当にザンギャックやっつけてくれるんじゃないかって」
千明の言葉に、流ノ介と源太も、同意見だという風に頷く。
「丈ちゃんもそう思ったんだろ?」
「殿は間違ってはおりません」
三人の言葉を、丈瑠は黙って聞いている。
「でもさ、何でお姫様?丈瑠が自分で行ってくればいいじゃん」
薫が行った事も、源太を通じて聞いている。
「そりゃ、千明、無理な話だよ。な、丈ちゃん」
丈瑠の事ならお見通しみたいに自信満々の源太に、丈瑠の眉間に皺が寄る。
「なんだ」
分かってるなら言ってみろという風に丈瑠が先を促す。先ほどの栞の質問の答えだ、栞も源太の答えを待っている。
「悔しかったんだろ?あいつらの力を認めるのが。力を託すって事は、つまりそういう事だもんな?」
「だから、姫を行かせたのですか?ご自分で渡すのは悔しいから?」
流ノ介も驚いて問い返す。
 その、あまりに子供っぽい理由に、栞がじっと丈瑠を見つめ、気付いた丈瑠が横を向く。
「えー、丈瑠。そんな事なら、俺に頼めよ」
「何で千明なんだ」
「だって、流ノ介も行ってみたくない?海賊船」
「あ、俺行ってみてえ」
「なぁ」
変なところで意気投合する千明と源太を流ノ介がたしなめる。
「千明、源太、シンケンジャーの力は、元々私たちのものではなく、志葉家のものだ。だから姫が渡すのが一番相応しい」
「だから何でだよ。丈瑠ももう当主だろ?うるさいじいさん達ももういないんだから、丈瑠がやってもいいじゃん」
「だからぁ、丈ちゃんじゃダメなんだって。何にも言わずに帰ってきちまうかもしれねえし、こんな顔で行ってみろ。下手すりゃ海賊と喧嘩だ」
仏頂面の丈瑠を源太が指さし、丈瑠がますます顔を顰める。
「ああ、まだ人見知り直ってないしね。姉さん聞いたら呆れそうだ」
「こら源太、千明、殿に何という事を」
流ノ介が、一応止めるが、顔は笑っていて、千明も笑い出す。丈瑠一人がしかめっ面だ。









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