「何故船長じゃなくお前が?」
「あんたの腕は本物だ。マーベラスとやらせたら怪我じゃすまなくなる」
「随分なめられたものだ。まあいい。私が勝ったら、シンケンジャーのレンジャーキーを渡してもらう」
「俺が勝ったら、シンケンジャーの大いなる力を教えてもらうぞ」
二人が蛮刀と日本刀を構える。どこにも隙はなく、お互い微動だにしない。
そして、同じタイミングで走り出した。
目にも止まらぬ早さでお互いが刃が鳴り、勝負は互角に見えた。
その時、ザンギャックの艦隊から攻撃が始まる。
二人は、勝負の手を止めて、その空を見上げた。
「いかん。勝負は一旦預ける」
「姫」
先に走り出したのは薫だった。丹波が慌てて後を追う。
「あれを片付けねえと、勝負は再開できねえな」
マーベラスも水を差されて不機嫌そうだ。
「行きましょう」
「ああ」
海賊達も走り出す。
先にザンギャックの元へ付いた薫は、シンケンマルで、次々にゴーミンを倒していき、黒子と丹波が逃げ惑う人々を助ける。
屋敷では、薫が海賊と対立していると聞いた栞が、すぐにも駆け出そうとするのを、丈瑠が引き留めていた。
「お前が行ってもどうにもならない」
栞が思いきり唇を噛む。
そこへ、ザンギャックの艦隊が現れたとの報告が届く。
「行くぞ」
丈瑠が先に駆け出す。お互いが気まずかろうが関係ない。
そして、街で暴れるゴーミンを倒して、屋敷に戻った丈瑠達に、また別の報告が待っていた。
薫が、海賊船ゴーカイガレオンに怪我をしたマーベラスと共に向かったというのだ。
「いかんな。傷は深そうだ」
薫は、丹波と黒子と共に、マーベラスの治療のため、ガレオンに付いていく。
黒子と丹波により、治療の済んだマーベラスが、ソファに寝かされた。
「刀傷によく効く薬を塗らせた。落ち着くまでは動かすな」
薫が、残る四人に告げる。
「本当にありがとうございます」
アイムが丁寧に頭を下げる。が、他の三人は、腕ずくでレンジャーキーを取り返そうとしていた薫が、マーベラスの治療をした事に、怪訝な顔だ。
「あの、でもどうして」
ハカセがその疑問を正直に口に出す。
「人として、当然の事をしたまでだ。勝負となれば容赦はせぬ」
穏やかに言う薫に、海賊達の表情も微かに揺るんだ。