屋敷へ戻ると、黒子から報告を受けた彦間が待っていた。
「殿、では、その海賊達の持っているレンジャーキーとやらさえあれば、また殿はシンケンレッドなれるということですな」
丈瑠が座るのも待ちきれない様子で切り出す彦間に、丈瑠がうるさそうに視線を投げると、座って、黒子の持ってきたお茶を飲む。
「殿、やはりその鍵を取り戻しましょう」
丈瑠に視線を投げられた栞が、少し丈瑠を睨む。自分では何も言わず、栞に説明しろと言っているのだ。
「彦間さん、待ってください。まだ、もう少し様子を見た方が」
「栞殿までそのような。そんな悠長な事を言っていられる場合ではございませぬぞ。ザンギャックによって、一度地球は滅びかけたのです。あんな宇宙海賊とやらに、いつまで頼るおつもりですか。いつまた気が変わって、レンジャーキーを持ったまま宇宙に行ってしまったら、それこそ取り返しが付きません」
丈瑠の代わりに怒鳴られて、栞が小さく肩を窄める。
彦間の言う事も、至極当然だ。あの海賊達にそれこそ地球を守る義務など全くない。彼らがここにいるのもただのお宝目当てだ。それが手に入ったら、いつ出て行くか分からない。
それでも、あの少年の話の海賊達は、そこまで無責任には思えなかった。
「でも、簡単にレンジャーキーを返してくれそうにはありませんでした。彼らと無駄に戦う事は、丈瑠様の本意ではありません」
「殿、本当にそのようにお考えですか?」
すぐ隣に本人がいるのに、栞に代弁させる丈瑠に、彦間が向き直る。
丈瑠は、黙って横を向いている。栞はたとえ間違っていようと丈瑠の味方だ。それは彦間もよく分かっていて、一対二では分が悪いと踏んだのか大きくため息をついた。
「分かりました。では、もう少し様子を見る事にいたしましょう。ですが、流ノ介達も、いつまでも黙って待っているとは思えません。それに、ジイよりも手強いお方にきちんとご説明もお願いしますぞ」
それにの後に続いた言葉に、一瞬ほっとした顔をした丈瑠と栞が、とてもうんざりした顔になった。