「あの子」
先ほどの少年が、近くのビルの屋上で、海賊達の戦いを見ていることに栞が気付いた。
「おい」
丈瑠の手を引いて、駆け出した栞に、丈瑠が声を掛けるが止まらない。
ビルの向こうでは、海賊達の戦いが続いており、ゴーカイオーの胸から砲弾が繰り出され、巨大なザンギャックの敵は倒された。
それを見ていた少年の顔には、笑顔が浮かんでいる。
その屋上へたどり着くと、栞は丈瑠の手を離し、一人少年に近付いた。
「あの、大丈夫ですか?」
突然声を掛けられて、少年が驚いて振り返り、誰だろうという表情を見せる。
「ごめんなさい。見ていたんです。先ほどの事」
海賊に啖呵を切った挙げ句、あっさりと敗れた。そこまでは見られていなかったが、少年が、決まり悪そうな顔になる。
「怪我を」
少年の手に、血がにじんでいる。
「いいよ、このくらい」
「いけません。手を出して」
二人に付いてきた黒子がすぐに駆け寄り、栞に薬を渡す。突然現れた黒子に、少年が一瞬驚いた顔をしたが、黙って治療される。
「どうして、あんな無謀な事を?」
包帯を巻きながら聞かれ、少年が唇を噛む。
「じいちゃんが、レジェンド大戦で死んだんだ。俺を庇って。だから、俺が戦って、地球を守りたかった」
激しい口調で言った少年が、言葉を切り、今度は静かに続ける。
「でも、ダメだった。海賊のレンジャーキーを奪ってシンケンレッドになったけど、それでも俺の力じゃ地球を守れなかった」
そう言う言葉とは裏腹に、少年は何故か、穏やかな微笑みを浮かべている。
「でも、とても満足そうです」
栞が治療を終えて、立ち上がりながら、首を傾げた。
「海賊に言われたんだ。守りたきゃ、お前は別の方法で地球を守れって」
「別の方法?」
「それは自分で考えろってさ。だから俺も言ってやった。この地球に守る価値はあるか?って聞かれたから、どこにでもある。自分で探せって」
そう言って笑う少年に、栞も笑顔で頷いた。
「変な奴らだよな。海賊なのに、関係のない地球を守って戦った。あいつらも、スーパー戦隊になれると思わない?」
そう聞かれても、栞には答えられない。
「じゃあ、これ、ありがとう」
少年が、治療してもらった手を上げると、駆け出した。
その後ろ姿を見送ってから、丈瑠の元へ戻る。
「さっきの続きです」
微笑む栞を、余計な事をという様に丈瑠が睨むと、黙って歩き出した。
第2話は、黒子ちゃん出たし、盗んだキー、シンケンレッドだったし、私の中では、シンケン回だったので、やってみました。
お掃除してた黒子ちゃん、掃除はカモフラージュで、実は、ゴーカイジャーを監視してたとか・・・どうでしょう。