女は、ある家に嫁いだ。
女は歓迎されなかった。男性は、ある本家の次男で、その本家には次男の兄と嫁、その子供が二人いた。その本家の西隣に、次男の姉とその夫が家を建て、その夫婦の子供二人も住んでいた。
次男もその本家から徒歩5分の土地に家を建てて、女は娘を一人産んでからは、もともと虚弱だった体をさらに悪くして家に閉じこもった。
女は姑に気に入られなかった。
この姑が意地が悪かったわけではない。女は家事の一切を体調のせいにし、赤ん坊のおしめも変えずにいた。そのくせ遊びや消費・浪費には時間や体力を費やす。借金もする、男遊びをし、そのしりぬぐいを舅・姑がする。この仕打ちに憤怒がわかぬはずはない。
女はいつも自己が責められると言い訳をし、本家の娘にまで不倫の相談をするほどに、友人を失っている。
無知が消費を呼び、訪問販売で多額の支払いをする、インターネットでうまい話に乗り、詐欺だと言われてもまだピンとこないような愚鈍さの女。
離婚を迫られれば、精神科へ逃げる強い女。
この女の死を望む人間が、何人もいる。どうしてこの家に、こんな女を招き入れてしまったのか。
この怠惰な女が、とびきりの美人だとかどこか惹かれる妖艶さがあるなら、世間も納得するだろうが、外見的にもどうしようもない太った背丈も寸詰まりのずんぐりむっくりした、不器量な女である。
この女を気の毒だと思う。
いつもなにかを誰かや自分以外の物事のせいにしかできない女。今、自分がどのような立場にいるのか見えずに傲慢な女。
晩年を孤独に過ごすことになるであろうのに、誰の忠告も聞かぬ馬鹿な女。
この女が、いった。
「所詮、嫁は他人、所詮嫁は他人」
本家の長男の嫁は立派な女である。22で嫁いだのだが、舅・姑の上に大舅、大姑がさらにいた。それに、舅の年の離れた弟や、嫁いだ時にはまだ次男も独身で同居の大所帯であったにも関わらず、その一家の家事、農家であったために農業の仕事、また、すぐに妊娠したために、妊婦、母親、それらをやりながら、学校に通い学生でもあった。
そして、もちろん長男にとっては妻の顔もきちんと持っていたのである。
また、ずっと時が流れたあと次男の姉夫婦の息子が、関東から嫁を迎えた。
一族の土地を分け、家を建てる話が出た。
この嫁もできた女で、母一人の家庭で育ちお金の大切さや家庭の大切さをきちんと学んできた女性である。次男の嫁は、それによって自分が彼女らと比べられるのが気に入らない。
自分のなにがいけないのか、理解しようとはしない。思いつきもしないようだ。そして、先ほどの「嫁は他人」につながる。
この女、長男の嫁のことはどう考えているのであろうか。
気に入られないことを、まったく自分に非がなく周りの環境のせいだと考えている。頭が弱く神経が図太い。人格者の長男の嫁は良くしてくれるのだが、なにか諭されても、「私は精神が弱いから、病院にかかるかもね」と暗に脅す卑怯者である。他人が聞いても、どうしようもない屑である。
こういう女が、案外長生きして娘の人生を食いつぶさないか、本家の姑は心配している。自分の娘の心配をしてくれていることには、考えすら及ばないようだ。
仕事も続かず、無責任で能力が低く、またそれを磨こうともしない。
この人間からは、周りがいろいろなことを学べる。反面教師なのである。
一家のこの先が興味深いある一族である。