お久しぶりです。花房さん。かれこれ・・・10年位になるのではないでしょうか。

その後お元気でしたか?

わたしは・・・まあ、いろいろ苦しくなってはおりますが、なんとかやっています。


あの頃そうですね。

家庭は息苦しい牢獄のようなものでした。

恋愛で結婚したとはいえ、燃えるような恋の末というわけではなかったし、結婚二年目で長女、その3年後に長男が生まれて、

仕事もまあまあ順調に地位を得て、といっても小売業界ですから、地位のあがるほどに家庭にいる時間は短くなってはいっていましたが。


それもわたしには都合がよかったですね。

なにしろ、子供が生まれてからの家内は以前にもましてしまり屋になりましたね。

花房さんもご存じのとおりですよ。


30代の中間管理職、こづかいは二万でした。

一度内容に文句を言ったら、弁当もなくなりました。なので、きつかったですね。

家では・・

もっと稼いでこいとはっきり言われていて、子供が二人とも小学校に上がっても、家内が働きに出るということは考えていませんでしてね。

提案しても、ヒステリックに甲斐性がないだの、嫁を働かせるつもりか、だの、わめくだけでして。


そんなときにふと優しかったんですよね、彼女は。

3年目の社員で、店長のわたしの下で副店長として働いていました。

花房さんとも、仲がよかったでしたね。


信じてくれないかもしれませんが、1年以上付き合って2度だけです。体の関係を持ったのは。

手をつないで眠るだけでよかったんです、本当に。


それが・・・あの一件でね。

いなくなっちゃって。


あとから知ったんですよ、わたしは降格になってね。

給料も平社員に戻ってしまって。離婚を言い渡されるかと思いました。でも、家内は言いませんでしたね。病気になっちゃってね。うつ病です。

まあ・・・もともと躁鬱のけはありましたからね。でも、わたしはきつかったですね。

余計、居づらくなりましたよ。家に。

子供がいるから帰るんですけどね。


あの一件。


彼女が、会社を突然辞めて、わたしがいない昼間にうちにきまして。

一日中、インターホンを押し続けてね・・・

押し始めて・・・4時間後、耐えきれなくなって玄関に出た家内に言ったそうですね。

「私たちは悪いことはしていません」ってね。


なにか間違っちゃったのかなあ。

家内だけが悪いとも言えませんよね。

それは最初から家内が悪いと、言われるんですよ。誰に言われるかって?まあそれは。わたしと同じ立場の人間ばかりじゃないですよ。不思議といいますか、わからんもんですね、人の考えは。

不倫に走ったのは、このわたしなんですけどね。

責められるのは、わたしなんですけどね・・・



その後浮気ですか?してません。なんか疲れちゃってね。















その相手を愛してますか?

それとも、安らぎならばだれでもよかったですか?


私はききみみ、なのでなにも質問しないし、持論も語らない。