なぜならば・・・



陰と陽。どちらか一つでは、世界は成り立たない。世界は、そういうふうにできています。

愛しているけど、憎いのはある意味当たり前なのかもしれません。


傷ついたと言って、怒りに身を任せてご主人を罵り、愛人を殴ってけがをさせた女性が話をしにいらっしゃいました。

自分を裏切った二人が憎い、殺してやりたい、結婚した時は自分は仕事を辞めて、よき家庭をつくろうと毎日十分なくらいの家事をし、育児をし、こどもも巣立ってこれから二人の時間を大切にしようと思っていた矢先に、こんなひどいことを、と。



愛人は、娘と変わらないくらいの若い女で、女の誕生日に二人で女の部屋にいるところに乗り込んで事件を起こしたといいます。


その翌日、ご主人は彼女にこういったそうです。


「お前があんな風に感情的な人間だと思わなかった。」





ご主人は、本能では分かっていたと思いました。

本音・本気でぶつかることができなければ、縁を活かしたりつないだりすることはうまくできないのではないでしょうか。

彼女は、「もう恋愛感情はとっくに忘れたし、夫婦の会話もそんなになく、淡々とした関係だったといえばそうだった。でも、情はある。その証に、ふたりのための老後を想像した」といいます。


恋愛感情は、かならず変化します。

恋愛感情だけではなく、万物は流転します。森羅万象は、無常なものです。


明日、生きているかどうかわからない。


明日は、またあなたを愛しているかもしれない。


だから、突然訪ねていったりしてはいけなかったのです。



そんなこの世界で出会い、しかも婚姻という縁あった相手なのですから、たとえ年月がたち関係が変わっていっても、こういった事件がおきたときに、憎い、でも盗られたくないといった、相反する感情が湧きあがり渦巻いて混乱するのも無理はないでしょう。



思うことを、普段からなるべく口にして、伝えるのです。


守りたいものがあるならなおさら。


当たり前のものが、明日も当たり前にあると思わずに、今この瞬間に、好きな相手には、好きだと言って生きていきたい。


私はそう思います。



湧きあがる感情に素直に。