これは職場での話だ。
16時頃になると30分程、3階フロアを散歩する、
少ししゃくれた猫背のおじさんがいる。
私は彼をへっぽこ丸と呼んでいる。
へっぽこ丸は左手に杖を持って、
カタカタ、モタモタと歩いている。
挨拶をすると少し下顎がコクリと動く。
おそらく会釈のつもりなのだろう。
へっぽこ丸は少し我儘なところがあるのと、随分と拘りが強いようだ。
インフルエンザが流行った時は、
職場で蔓延したことに対して、苛々としていた。
また、飽き飽きとした顔で、ツンツンともしていたらしい。スタッフが話しかけても無視をしていたそうだ。
マスク越しでも、しゃくれ具合が確認できるくらいに不機嫌だったらしい。
そんな彼をへっぽこ丸と名づけて以来、
私は彼に対して何に対しても許せるようになった。
#へっぽこ丸の日常
