これは大学4年の夏休みのことである。

友人が「俺も早くメガネと腕時計をつけて電動キックボードに乗りたい」と言っていた。正直、当時は何を言っているのかよくわからなかった。夏休みの海で女学生のパンツがなくなるという事件が起こってしまった。どうやらその時、彼は1人で海水浴をしていて、その事件現場に居合わせていたらしい。生徒たちは中間試験の勉強をしている中、彼はゼミ室でホワイトボードに被害者の女性と加害者を疑う生徒たちを黙々とひたすらに書き込んでいた。彼は友人関係が広いわけではないので浅く広い推理いつまでも繰り広げていた。彼は夏休みが過ぎて秋頃になっても推理を行っていたのである。そして夏休みが明けて中間試験を受けた時、彼だけ赤点を取ってしまった。勉強をせずに推理をしていたためである。その時、彼の口から「真実はいつも一つ」と。赤点に対してなのかパンツ事件に対してなのか現在になっても未だに分からないが、時間が経った今日この頃ものすごく気になっている。そして卒業アルバムには阿笠博士のTシャツを着用した満面の笑みをした彼の姿がそこに映っていた。コナンになりたいという本心に気づくことができなくてごめんなさい。

※写真は彼がコーヒーを嗜んでいます。