自分が変われる原動力に!!「創造的コミュニケーション」ワークショップ2日目 | タイ教育支援NGO「マレットファン(夢のたね)」のブログ 

タイ教育支援NGO「マレットファン(夢のたね)」のブログ 

「マレット・ファン」は、タイ語で「夢のたね」という意味。「こども」にかかわる「おとな」の能力およびモチベーションの向上をめざし、研修や交流プロジェクトを実施しています。タイ、日本、そしてアジアに夢のたねをまく活動をブログでも広げていきたいです!

ねらいを確実にキャッチし、感激していただいた1日目 に引き続き、

充実した学びを提供できるようにと、

講師およびスタッフみんなが緊張して臨んだ2日目です。






2日目の午前中は、コミュニケーションのあり方に気づくワーク。




講師の指示により描いた絵、全く同じ指示なのに、

とらえ方によって、描かれる絵は全く別のモノになる。





実際に他の人と見せ合って、あまりの違いに大笑い、

その後、なぜ違うのか、どうしたら共通理解を得られるのかなど、

意見交換に発展します。


さらに、言葉を発せず、コミュニケーションをとるワーク。




これらを通して、1Way-2Way(一方通行ー双方向)、言語-非言語など、

コミュニケーションを捉える際の視点が浮かび上がってきました。





そして、2日目の午後は、

これまで培ったコミュニケーション力を最大限に生かして、

昨日からのグループで最難関の課題に取り組みます。





目隠しをし、さらに言葉も使わずに、スタート地点からゴール地点に置かれた紐に、

順番通りに並ばなければならないゲーム。


事前にグループ全員の共通理解を得られていないと成功しません。


その共通理解のためには、ひとりひとりが、自分の不安感も含めて、

他のメンバーに開示していかなければならず、

さらに、他のメンバーの意向も受け入れる必要があります。




まさに最大限のコミュニケーション力が試されるこのゲームに、

誰一人、臆することなく、入念な打ち合わせをし、

3回目にして、2チームともほぼ成功。


実施後、各グループ内での振り返りでは、

以下のように活発な意見交換がされました。




2日間での気づきと

グループ内に蓄積された信頼関係により成功したということ。


全員が明確に目標を理解すること、

誰もが意見を出せる、受け入れられる雰囲気であること、

失敗を前向きにとらえながら課題解決に向かうこと、

これらが、グループの課題達成にとって重要である。


さらに、実際の仕事、生活の場面にも置き換えて、

コミュニケーション、組織の人間関係、事業遂行のあり方についての、

深い洞察が進められていきました。


このワークショップの醍醐味である、

『ワークに没頭した直後の当事者同士での振り返り』の、

重要さに改めて気づかされました。



研修も終わりの時間が迫るころ、まだまだ議論が白熱していました。

しかし、ひとりの小学校の先生の発言に、会場の雰囲気が一変しました。



進学校で小学生の担任を受け持つエームさん。

言葉を詰まらせながら、少しずつ丁寧に話してくださったのは、

こんなことでした。


『自分の日頃の子どもたちへのかかわりを反省しました。


 厳しく接すること、せきたてるように成果に向かわせることが、

 彼らを成長させると信じてきたけど、

 そうじゃないと気付いたんです。


 今回の講師が提供してくれたような、

 学ぶこと自体が楽しいと思えるような時間を、
 自分も子どもたちに提供してあげられるんじゃないかって思えました。

 

 ワークショップの内容ももちろんですけど、

 樽井先生の存在自体が、

 私が明日からなりたい自分に変わっていけるための原動力です!』


とても陽気でおっとりした印象のエームさんによる、

涙交じりの告白で、今回のワークショップでの感動はピークに達したようでした。


この2日間で徐々に、自分の感情のあり方に気づき、

他者とのかかわりの中で新たな自分の一面を発見してきたことが、

自分を変えられるのだという自信につながったのだと思われます。




今回のワークショップの目的は、

効果的なコミュニケーションとは何かを体験から気づき、

参加者が日頃の子どもとのかかわり方を見直すきっかけを提供すること。

これが達成されたことに、大きな喜びと安堵を感じました。


マレットファンのメンバーとしても、

2日間での参加者さんの劇的な変化を目の当たりにした感動は大きく、

自分たちがその変化を促していく存在となるために精進していく、

大きな原動力となるワークショップとなりそうです。


マレットファン

松尾久美