26.

脳で仕分けする。

情報を 選り分ける。

きっと 生物のウィルスのように 情報にも様々な害をなすウイルス的なものがあるのだ 。もちろん同じ情報でも、ある人には有益な情報であるかもしれない。けれど身体で違和感を少しでも感じたらおそらく、いやほぼ間違いなくその情報は有害なのだ。何でもかんでもそれを真に受けて身体で無防備に危険にさらす、今までなんと危険な事をしていたのだろう。脳にも身体の免疫のような機能があるはずなのだ。

「私も自分の心臓に余計な負担を負わせすぎたかもしれない。頭が仕分けすべきことを怠るとこんな風になってしまう、あちこちの器官に支障が出て、最終的に脳も悲鳴をあげるのよね」

‘’そうねココ、宇宙船の運転に似ているわ。どこに自分が行きたいか ナビゲーションをきちんと設定するのはもちろんだけど。設定の段階で同時に それに必要ないものは 徹底排除して行く 。結構ここが甘いのかもね‘’

設定もあと60日以内ということで悠長に行っている時間がないけれど、

とにかく今の私のコンディション、どうなりたいのか、何が必要で何が要らないのか、書き出してみよう。そして何を気に留めるべきか、気にするべきでないのか

”ココ、あなたは今まで選ぶことはあまりなかった。アルバロ星でもきっととてもかわいがられて学校でもいつも私や誰かといっしょに行動して自分から率先して何かを提案したり発案することはなかったわね。地球に来たのもお姉さまがお申込みくださったから。観光ではなく留学として来る王子や王女も多いことを思うとある意味、あなたの魂にいままでにない学びを経験させる星が地球ということなのかもね。状況を受け入れるか拒絶するか新しい場所を見つけるかの広大な事由がある、だってここでは王女ではないのだもの。だけれどすべてがあなたの選択の結果にもなり、経験できるというのは素晴らしいことだと思うわ。運の設定と脳と身体のバランスを知った今、上手にコントロールしてあなたの夢を実現させてほしいわ“

「ありがとうペナポテ。本当に良かった。あなたに来てもらえて。そうでないと私状況や人生を憂えたまま、時たま自然の美しさを賛美するだけで地球を終わっていたかもしれない。地球で生きるからにはお父様にも楽しいお話をいっぱい聞かせてあげられる素敵な人生にしなくちゃ」

“ほんと、ココってパパっ子なのね。授業参観でもいつもココのパパが門が開く前から一番乗りで待っていたし・・」

それを聞いて私はハッとした。今まで自分のことだけにかまけていて果たしてペナポテのお父様はどうなさっておられるのだろう?

こともあろうに私の父が攻撃せざるを得ず消滅してしまったペナポテの美しい星。彼女や彼女の家族、国民は故郷がないのだ。ペナポテ王は離れた星流しになってしまった。

もしこれが私だったらどう思うだろう…

きっとそんなの耐えられない。申し訳なさと彼女のつらさを思って私は涙ぐんでしまった

ペナポテはすぐ察して

“ほら、こんなことのひとつひとつがあなたのハート王女を苦しめているのよ。あなたにはどうすることもできなかったし、あなたの問題ではない。ブレイン王子に働いてもらわないと”

‘それにね、私の星はもともとガス星だったし星の寿命から言ってものすごく不安定な状態にあったの。あのまま爆発するがままにまかせると他の星に甚大な被害を及ぼす可能性があったのよ、あとで知ったんだけどね。国内でも何回となく全星民移住の計画、方策は繰り返し論じられてきたけどそうはいかないのが長年住み慣れた人々。そうよね、誰だって故郷を離れるのは辛いわ。おりゃー死んでも動かん、国民も動かさん、ていう政治家もいたりね。ノスタルジーって強力だわ。故郷への愛も同時に執着も。ときに人の命さえ引き換えにしてもいいと思うくらいにね恐ろしいの。国会でも相当もめてたのよ。私の父はもちろん国民の命を守ることを最優先してきたし、大爆発するのも時間の問題で近隣星も巻き込むおそれがあることから宇宙機構に助けを求めた形になったの。結果的にアルバロに滅ぼされたという形になったけど国内の内紛でどうにもならなくなって介入してもらった感じね。しっかりと周辺諸星への防御策を講じたうえで被害を最小にすべく爆破してもらったのよ。ココ、申し訳ないのは私たちの方よ。アルバロ王はそのせいで親友である私たちの故郷を滅ぼしたという自責の念で洞窟にこもってしまわれた。深く傷つかれてしまった。ココ、あなたも気に病む種を一つ抱えてしまった。でも実際、事実はあなたたちの思い込みと100%異なるのよ。父は流されて大喜びしているの。そこで長年の夢だった昆虫研究に精を出しているわ。キーファーゴールデンオオカブトっていう新種を見つけた、とか。専門誌にも毎回投稿しているわ。“

えっそうだったの?じゃあお父様の苦しみは?

ペナポテはケラケラと笑って言った

“だから、何事も気にしないことよ。そうだ、今度ココやあなたのお父様も一緒に私の父に会いに行きましょう!”続く

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