出口が無い。全ての事柄がうまくいかなく思える。環境を変えようにもそれ自体が到底不可能に思う。昼頃から会社に通うだけはやっとなんとか出来ているが、明日出社できる自信はない。
 自分の存在に意味が見出せない。何をするにも自信が無く不安になる。だらしない自分、劣等感にさいなまれ、逃げたくなる。抗おうにも気持ちが疲れ果てて、前にも進めない、後ろにも戻れない。頭の中は、うまくいかない仕事の数々が心配事としてひしめきあって離れない。
 体はスカスカで乾いたダンボールの様、心は擦り切れたちり紙の様。


 「もう、無理だ...。」



 電車のつり革にぶら下りながらぼぉっと中刷り広告に目を移した。


 「週間ヤングジャンプ....。」
2大なんとか付録....。

 その1:ダンボール紙の中身のようなジコジコの紙に、水着の女の子が印刷されている。
使い方の漫画も描いてある。

(1)女の子が印刷してある裏側から指で擦ると、紙のシワが伸びて膨らむ。
(2)ちょうど、女の子の胸の所をうまく擦ろう。
(3)おぉっ。Cカップが立体的に飛び出るじゃないか、スゲェー。飛び出るオッパイグラビア。


 僕は、何時の間にかニヤッとしていた自分に、はっと気付いた。
 ヤングジャンプの編集の人達は、この企画を企画会議で真剣に議論して、試しに擦ってみたりしているのだな...。


 不覚にもオッパイの中刷り広告を凝視しながらニヤニヤしてしまった後で、涙が出てきて止まらなくなった。
笑うことも、泣くことも、怒る事も、何ヶ月も無かった気がする。


 そうだよ、世の中、これでいいんだよ。

オッパイのポスターで見つけた。見えて無かっただけで出口はここにあったんだ。