仙台から帰ってきた。
本当に内容の濃い二日間だった。
今回伺ったのは仙台市若林区中央児童館というところ。
今年の夏に兵庫県主催の震災復興支援企画「アウトリーチコンサート」で
クラシックメンバーとともにお邪魔させてもらったところ。
仙台市内には100を超える児童館があって、よちよち歩きの子から
小学校高学年くらいの年代の子たちまでが、ここで親御さんのお仕事が
終わるのを待っていると伺った。
「本当は子供たちはこの震災で怖い思いや哀しい思いをたくさん経験をして、
不安も大きくて、一番お父さんやお母さんと一緒にいたい時なんです。
それでもこうやってお父さんお母さんが迎えに来てくれるのを待ってます。
無邪気で元気に笑顔を見せてくれますけど、本当はすごいストレスなんです。
この子たちを楽しませてあげてください。よろしくお願いします。」
前回伺ったときに館長さんが語ってくれた言葉。
それならば僕個人でももう一度来たいと思いたって、
今回、アカペラグループ「むらさきのうえ♪」と
イラストレーターの美穂さん、美菜さんに協力してもらい、
一緒に歌ったり、一緒に絵を描いたり、
そんな時間を子供たちに楽しんでもらいたくて再び伺ってきた。
この日は館長さんが急きょ催し物として近隣にもお知らせしてくれていて、
子供たちや親御さんたちだけでなく、近隣の住民の方々も集まってくれた。
本当に幅広い年齢層のみなさんが、むらさきのうえ♪のライブを喜んでくれて、
小さな子供たちはイラストレーターのお二人と一緒にテーブルを囲んで絵を描いたり、
似顔絵を描いたり、無邪気に楽しんでくれた。
僕は今回は、演奏は一切なく、ひたすら連絡係、
段取り係に徹していて、部屋の一番後ろで
みなさんが楽しんでくれているその様子を眺めがら、
うれしくてうれしくて一人でずっと幸せに浸ってた。
ライブが終わり、スタッフの方が
「とても楽しい時間でした、本当にありがとう。
……亡くなった方々にも聞かせてあげたかった…一緒に歌いたかった…」
と、涙を流しながらお話してくれた。
震災でご家族を亡くされた職員の方もいて、
その人たちのことも一人ずつ教えてくださった。
わかっていたはずなのだけど、やはりハッとした。
皆さんがみせてくれる、笑顔や笑い声の向こうで、
哀しみが今もずっと続いていることを今更ながら実感した。
東京にいて、報道を見ていると、政治の不備、原発の問題が主に取りざたされている。
それももちろん日本の将来のために圧倒的に大切な問題だけども、
わずか半年と少し前に、東北では20000人近い方が亡くなったり
行方不明になったりされていて、それは現地では全く過去のことには
なっていないんだってことを強烈に思い知った。
これからの暮らしのことと同じくらい、未だ絶えない哀しみを癒すってことも
大切なんだと思った。
終わってから、他の児童館のスタッフの方たちからも
是非、自分の地区にも来てほしいとお話をいただいた。
今はあくまで個人でやらせてもらっていること。
僕たちがどこまでそれにお応えできるかわからない。
でも僕はできることはさせてもらいたいと思う。
もちろん一人じゃ何もできない。
だからいろんな人の力を借りながら
やれることを一つずつ地道にやっていこうと思う。
また皆に会いたい。
また、行けるように頑張っていく。
是非見守ってもらえたら嬉しい。
応援してもらえたらうれしい。
子供たち、親御さん、若林区の皆さん、
児童館のスタッフの皆さん。
むらさきのうえの皆、美菜ちゃん、美穂ちゃん、
この話を聞いて、さっそく「僕らも行きます」と
手を挙げてくれたアカペラグループの皆さん。
本当にありがとう。心から感謝します。
これからもどうぞよろしく。
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