<広州で多発していた外国人が被害に遭う事件の背景/中国・広東省>
 

---1 名のケニア籍の女性宝石商 が 2013 年 3 月 22 日、商談のため娘 (29) とタクシーで 広州市 から 高州市 に向かっていた乗っているところ、銃を持った数名の強盗に襲われた。 賊は タクシー に向かって 散弾銃 を 掃射し、ドライバー と ケニア女性は負傷、財物を奪われた。 そのうち ケニア女性は胸、首、口元の散弾の破片を浴び、現地の 人民医院 で治療を受けた後、28 日 に 香港にもどり 再度 治療を受けたが傷口が悪化、現在も 危篤状態 が続いている。(続報がないが、命は取り留めたものとみられる) 
被害に遭ったのは Benedzta Komoo (49)、夫と3名の子女があり、宝石売買 に 長年従事、香港ではネーザン道の 重慶大廈内 の ホステル に宿泊していた。


 その後も、外国人が被害に遭う犯罪は数件発生していたが、もしかしたら こいつらの仕業かもしれない、と関連を疑うモノがあった。
 

---2015 年 5 月、広州市警察当局は初の外国人犯罪組織を摘発、16名の黒人を逮捕したことを明らかにした。 当局の発表によればこれらの黒人らは 「Freedom Fighters」 と名乗り、斧をマークにした制服と腕輪をつけ、組織内の秘密厳守を義務づけ、広州、仏山、東莞 等で 外国人商人 を専門に狙い、斧、長刀、棍棒で相手を斬りつけ、財物を奪うという強盗を重ねていた。 また、取立て屋、薬物密売、脅迫、拉致等も行っていたという。 2015 年 2 月、警察は 100 名近い捜査員を動員、広州、仏山、東莞 で構成員 11 名を逮捕していたが、さらに 4 月 16 日 に 5 名を逮捕、薬物や大麻、ユニフォームを押収した。
 この組織 は 2009 年ごろ広州市で結成したものと見られ、摘発された 2015 年時点では 二十数名 のメンバーがおり、ドライバーを含む 2 名の中国人もいたとみられる。 
同組織 は第一層に首領、リーダー、財務担当、第二層に 5 名の元老委員会、第三層にチンピラや実行部隊、と言う構成になっており、これまでに 5 件の強盗事件、2 件の薬物密売に関与していることが判明しているが、警察は心当たりのある 被害者 に名乗り出るよう呼びかけている。 広州市 のアフリカ系黒人人口は 30 万人に達し、多くは 越秀小北路一帯 に居住していた。 (現在は武漢肺炎の影響で縮小したとみられるが) 

 

 先ごろの武漢肺炎の流行で、広州から多数の黒人が強制的に立ち退かされたという報道があったが、差別の部分だけでなく、衛生や治安上の問題から好ましくない、とみられる部分はあったのだろう。 
 そして、あくまで個人的な推測だが、香港・尖沙咀の重慶大廈 (チョンキン・マンション) 内にターゲットになりそうな人物に関する情報提供ルートが存在するのではないか? という気がする。
 そうでないと、武器を持ったそれだけの人数を事前にひと気のない場所で待ち伏せさせておくということ自体、中国内では容易なことではないからだ。
 「深夜特急」に影響されたバックパッカーの皆さん、あまり自身の行動に関する情報は他人に与えないようにご注意を。