<フォークリフト暴走男を射殺/中国・山東>
 

---山東省煙台市公安局は 2018 年 6 月 25 日 07:20、芝罘区幸福中路の 8 号バス終点駅付近で、1 名の男子が 緑 の小型フォークリフト に乗り、化工路の西から東に向け 幸福中路 を暴走している、との通報を受けた。 

この男は路上の 安全用鉄柵 を 十数m に渡って破壊、車や通行人らに片っ端からぶつけ、黒の 自家用車 を持ち上げたりしていた。 

 


 数名の市民らが路肩にあった 建築用レンガ を男に投げつけたりしてフォークリフトの突進を阻止しようと試みているところ、煙台公安 と特警、消防 らが駆けつけ、マイクで呼びかけ、さらに 空砲 を鳴らすなどして止めようとしたが果たせず、群衆の安全を守るためこの男に 9 発発砲して射殺した。

警察の捜査によれば 容疑者 は フォークリフト運転手の 王志華 (45、黒龍江省綏化市人)。 この事件で 1 死 十数傷 、さらに多数の車が破損した。 その後、警察が捜査を進め、犯行動機は 「生活のプレッシャーと社会の不公平への不満」 とみられている。




 西部警察に出て来そうなシーンだ。

 動機は 「生活のプレッシャーと社会への不公平への不満」 と一見学術的に報じられていたが、別のソースでは 「王には (勤務先? 取引先?) からの給与支払いが滞っており、それを訴えたが長期にわたって解決していなかった」 とも伝えられている。
また当地の フォークリフト運転士 のグループ内では 「王は借金してフォークリフトを購入したが、自宅近所の住民委員会によって苦情を言われ続け、何度も警察に罰金をとられていた」 という。 隣家の住人の証言によれば王はフォークリフト作業による収入で家族を養っており、事件当時、王の妻は入院中だったという。

 犯行当日、王は フォークリフト を運転し仕事に向かっていたが、その際に 交通警官 から違反を指摘されており、それがきっかけで精神が崩壊し犯行に及んだと思われる。 

 もちろん 王にも社会性に欠けた行動もあったと思われるが、追い詰められすぎた絶望からこのような事件を起こしたことは充分に考えられる。
 実は同じ週の 6 月 22 日(金)、西安でも 1 名の男子が街頭で 10 名の通行人を刺し、2 名が死亡する事件が発生している。 これも 「社会の矛盾への報復」 が動機と報じられていた。

 社会の不公平というより、「弱者や貧困層らに 逃げ場、脱出口がない社会 がさらに厳格化し、追い詰められすぎ絶望して犯行に及んだ」 と表現した方が正確かもしれない。
 王にはすべての行政部門が彼を制限し、すべての人々が 傍観者 でしかないように映っていただろう。 

 このような社会では誰も安全な者はいない、といえる。 被害者になるか加害者になるか、という両方の意味で 「明日は我が身」。