今夜も眠れそうにないので
本でも読み更けようと
入院中に持参した本を探していたら
こんなものを
見つけてしまった…。
入院中、怖くて
気持ちが負けてしまいそうで
開封すらできずに持ち帰っていたのを
すっかり忘れていました。
母からの手紙の中には
この大学病院のすぐ近くにある
神社のお守りも入っていました。
6枚にも綴られた手紙は
どうも、手術中に書いたようです。
内容は、謝る文章ばかりです
両親は、いとこ結婚で
田舎では親族にとても反対され
大学病院でも検査などを行い
子供をあきらめようと決めてまでの
純愛だったそうです。
駆け落ち同然で、
関西から関東へ逃げるように
上京。
幸せに暮らして2年ほどして
子供を授かりました。悩み、悩みぬいた結果、すべてを受け入れようと
出産。
生まれてきた我が子は女の子。
それが姉です。姉は聴覚障害を持って産まれました。
二人は、自分達の罪の重さを嘆き
地獄に落ちてでも我が子を守ると決意したそうです。
その8年後、また妊娠。
今度は、辛いけどこれ以上
罪を増やせないと諦めようとしたら
幼かった姉が
妹が欲しいと泣いて泣いてせがんだそうです。
私は、姉に救われ
生み出されることとなりました…。
五体満足で生まれたことに
両親は 安堵したことでしょう。
それなのに
ガンになり
大切な臓器を失ってしまった。
丈夫な身体に産んであげられなかった
私達のせいだと
謝罪の言葉がぎっしりと書かれていました。
女性としての幸せを奪い
こんな両親を許して欲しいと…。
そして
一日も早く元気になって
幸せになって欲しいと
お願いだから
こんな罪深い私達より
先に逝くなと…。
辛い人生を辛いとも言わずに
我慢ばかり上手になるのは
もうやめて
甘えて欲しいと…。
母の願いと愛がぎっしり詰まった
手紙でした…。
お母さん。
ごめんなさい。
娘は 男を見る目がないみたいです。
ダメな恋愛ばかりして
出戻って
孫も見せられずに
子宮を失いました。
もう 寄り添いあえる相手は
見つからないかもしれません。
でも、私は幸せです。
生きている今は
とても苦しいことがたくさんあるけど
それも
生きてる証だと
そう思えるようになりました。
ちいさな喜びに
感謝できるようになりました。
優しさが
人を
心を繋ぐと学びました。
60年以上の純愛を貫いてる
一途な愛は 私の誇りです。
私達家族は 血が繋がっている。
絆も深い。
特別な深い愛で
私達 娘は大事にされてきました。
お母さん、ありがとう。
この愛を
今度は 私達が返していくよ。
親不孝で
ほんとにごめんなさい。