致知出版新刊、「稲盛和夫一日一言」は元気をもらえる一冊です | 生命(いのち)を輝かせる言葉の森

致知出版新刊、「稲盛和夫一日一言」は元気をもらえる一冊です

 

 

稲盛和夫氏という名経営者は、その独自の経営スタイル(京セラフィロソフィーとアメーバ経営)で、企業経営において人が何をよりどころにすべきかを「ど真剣」に追求してこられました。
それに加えて、その高潔な人格は、何が正しいかを人生をかけて突き詰めてこられた結果であり、他の経営者にはない特別の風韻を持たれています。

今回、刊行された「稲盛和夫一日一言」は、すでに何冊もの稲盛氏の著作を読んでいる方にとっては最高の復習になることは間違いありません。

しかし、初めて接する方にとっても、その内容はわかりやすく、親しみを持てる編集でありながら、ほぼすべての稲盛氏の考え方(哲学や経営手法など)が網羅されています。その意味で入門的にご利用になり、興味が持てればさらに同氏の著作を読み進められるというのもよいと思います。

 

特にいろいろな角度から説明されているのは、実践の大切さです。経営者として継続的な成功を実現されてきた方だからこそ、人は実践を通してしか成長できないという真実を反復して伝えようという構成に深い意味を感じます(この点は編集者の巧みさという方がおそらくは正しいはずですが)。

 

12月7日、成功にいたる道

 成功に至る近道などあり得ない。情熱を持ち続け、生真面目に地道な努力を続ける。このいかにも愚直な方法が、実は成功をもたらす王道なのである。

 

もそういう反復の一つとして読むと、なかなか結果が出ないプロジェクトを抱えている現状においても、コツコツと前を向いて続けようという元気をいただけました。

もうひとつ、一読して、個人的に嬉しかったのは、稲盛氏がよく言及され、いつも参考にされているとされる中村天風氏の教えもいくつか取り上げられている点です。

 

例えば、4月7日では、天風哲学と題して、次のような天風師の言葉が引用されています。

 

「自分には輝くような未来が待っているのだ。素晴らしく明るくて、幸せな人生が拓けていくのだと、それをただ一点、建設的に、ポジティブに、前向きに思い、明るく人生を考えなさい。決して陰々滅々として暗い思いを持ってはなりません」

 

それ以外にも8月3日、4日にも言及があり、そうした天風哲学と京セラフィロソフィーとの関係にも思いを巡らせながら読む楽しみもある一冊です。

一日一項目なら、一日一分もかからない長さのものがほとんどです。座右に置いて心のバランスをとるのに最適だと感じました。

お手元の一冊とすることをお勧めします。