(セ・リーグ、横浜3-14巨人、23回戦、巨人18勝5敗、10日、横浜)止まらない。止められない。「6番・一塁」で出場した阿部のバットがこの夜も火を噴いた。

【写真で見る】 坂本は惜しくもサイクルならずも4安打!

 4点リードで迎えた三回一死二、三塁。藤江の高めのチェンジアップを激振すると、高々と舞い上がった打球はバックスクリーンで弾んだ。5試合連続の25号3ラン。勝利をたぐり寄せる、貴重な一振りだ。

 「最低でも外野フライの気持ちだったので、ストライクゾーンを少し高めに設定していた。本当に状態がいいので、次の打席から丁寧に打っていかないといけないね」

 あえて自らを戒める充実ぶり。数字がそれを証明している。9月に入って9日までの7試合で26打数12安打、6本塁打。プロ野球タイ記録の月間16本塁打を記録した04年4月を超える勢いで、一発を量産している。

 勢いは、続いた。五回、亀井の21号3ランでリードを8点に広げた直後。今度は3番手・吉川の147キロの直球を完ぺきに捕らえると、白球はすさまじい勢いで飛行し場外へ消えた。今月8本目の本塁打は、スコアボード上部の大型スクリーンを直撃した前日9日に続く、驚きの2試合連続150メートル特大弾。右翼席の横浜ファンは、口をあんぐりさせて打球を見送るしかなかった。

 「場外ですか。『真芯』ではなくて『ド芯』を食った感じ。これだけ打てると、自分でもなんだか訳が分からないですね」

 原監督も「天才的」と評する打撃技術の持ち主。シーズンの佳境を迎え、この充実ぶりは何よりも心強い。選手会長の打棒が、Vロードをばく進する、何よりの推進力となっている。