デュアスロン学生選手権の予選となる
カーフマン東海ステージの様子を記しています。

レースは終始雨の降る厳しい状況でした。
今回は現地でレースを観戦していましたが、
やはり自分の目で観ることが面白い!

読んでくれた皆さんも是非、
会場に足を運びましょう!


中村祐輔
明治大学
四年
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カーフマン東海ステージ
1stラン 5㎞
バイク 30㎞(ドラフティング可)
2ndラン 5㎞
国営木曽三川公園特設コース





優勝は金色の輝きだ。





フィニッシュゲートを走り抜けるその瞬間、
長いトンネルの先に見える光のように
小さな輝きが一気に大きくなっていく。





今回のレースはその金色の輝きが見えている。





深浦さんや栗原さんというトップ選手が
出場を回避したレースでは、
優勝のチャンスがぐっと広がる。







初めて金色の輝きを浴びたのは、



一年生の時



10月に行われる日本学生スプリント選手権の
オープンの部だった。






大学でトライアスロンを始めた一年生や
夏の学生選手権(インカレ)に出場できなかった
選手が出場する大会だ。






そこでの優勝は自信になった。
来年のインカレで活躍してやると意気込んだ。





一年生の3月にはデュアスロン世界選手権の選考レースで、U23カテゴリー1位となり代表となった。




金色の輝きをたくさん浴びて、
輝いているように思えた。




今回のレースは
それ以来の優勝を、
金色の輝きを、
浴びることができる大きなチャンスだ。





ここで優勝をして、




同じように輝いている選手たちと


戦い、勝って


誰もが眩しいと思うくらいに輝きたい。









雨の心配は、そのまま当たり
レース直前には強い雨が降り始めた。



レース環境はいいとは言えないけれど、
この薄暗い天気の中で輝きを放てば、
より明るさをばらまくことができる。





どんな


苦しみも、


辛さも、


悔しさも




最後に笑うことができれば
全て吹き飛ばしてしまえるのが
金色の輝きだ。





レースNO.1を初めてもらった戦い



知らない人からも
優勝を期待されているようで
身が引き締まる思いだ。







スタート直前、
1番初めに名前を呼ばれる。




雲の先にある太陽の輝きに向けて



手を上げて、
位置についた。




これまで名前を呼ばれることはあったが、
1番最初のコールは初めてで、
スタートまでの時間がいつもより長く感じた。






落ち着かない雰囲気の中全員のスタートの用意が整った。

「on your mark」


それまでは雨が支配していた世界が一気に変わる。




雨の音、踏み鳴らす音、呼吸の音、
そして熱い心の音。


たくさんの音に色がついていく中を
走っている。

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その色
それは最後には
金色に変わる。


そう信じていた。




他の出場選手を見て、
数名が序盤から飛び出していく展開はないと
踏んでいた。

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ほとんど予想通りの展開で、
それほどのキツさを感じずにいる。







縦長の集団が少しずつ減っていき
バイク乗車までには余裕を持てた。






慌てることなく、
バイクに乗車すると少数の集団が形成された。

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文也さん(田中選手)、三須、川村さん、井戸さん
というデュアスロンで何度も顔をあわせるメンバーだ。



しかし、今回はバイクが強いことで有名な篠崎さんが出場しているため、それを意識した。
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一年生の時に出場した大会で、
篠崎さんはバイク乗車時点でほとんど最下位だったにも関わらず、単独でどんとんと追い越し、バイクフィニッシュを先頭で終えるほどの力を発揮した。



それと同等の力を発揮するのは明らかだったから、後ろから来る集団との差を気にしていた。




あらかじめ、応援に来ているチームメイトに
篠崎さんとのタイム差を教えてもらうようにしていたが、ほとんど意味をなさなかった。



2周を終了した時点で、
篠崎さんが率いる集団に追いつかれ
先頭に20人ほどが固まった。

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これまで出場したデュアスロンで、
こんな展開はなかった。



このまま篠崎さんが飛び抜けて、
バイクの速い何人かが追いかけるという動きもあったが、あまりにも大きな集団でほとんど硬直している。



それでも、焦りはなかった。
バイクで差をつけられることがなければ
追いつかれたところで負けることはない。




1stランで置き去りにしている相手に負けることはない。マークを外さなかったのは結局、
文也さんと三須だった。




その大きな集団のままレースは展開していく。
このレースは勝てるレースだ。



輝けるレースだ。





この雨の雫も、
きっと自分の輝きに反射して
キラキラと輝いている。




そう言い聞かせて、言い聞かせて
トランジッションエリアに向かう。



最周回を終え、
集団の前方でバイクを終えようとすると、
もう一周回しようとする動きがあった。



それはもちろんミスであるのだが、
近い距離でのドラフティング中に
反応せざるをえなかった。




そこで多くの選手がもたつき、
展開が変わりかけたが、
しっかりと仕切りなおした。






ランは文也さんが1番に走り出した。




そこから稲葉(同志社大学)、社会人アスリートの井戸さん、そして自分と続く。
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文也さんは1番に走り抜けたものの、
その動きをしっかりと捉えることができた。

このまま走り切れば追い抜くことができる。


前の2人は気にせずに、
輝きを放っている先頭を追う。


前へ、前へ、
先頭へ、優勝へ、



雨でずぶ濡れになりながら、
水たまりに足を踏み込んで、
しっかりと地面を蹴った。


そうして2周回するコースの1周を終えた頃、
先頭には






三須がいる。



同じ明治の後輩の三須の
背中を追っている。

背中を見せてやりたい後輩が前にいる。


まだ、2ndランは半分で
ここから追い抜くことはできる。


最後に背中を見せつけてやればそれでいい。





そして、フィニッシュの瞬間
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輝いたのは三須だった。





中村祐輔 明治大学 1時間20分05秒 2位
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金色の輝きは
三須が纏っていた。




一年生の時に得た輝きは
今はもうなくなっていることに
気づかされる。




こんなにも降りしきる雨が
金色のメッキを剥がしてしまい
銀色になってしまった。




決して、2位に意味がないとか
優勝だけが全てだとは思わないけれど



自分の強さが、輝きが、
まだまだ鈍くて、
まだまだ磨けることに気づかされた。




一度、身に纏ったはずの
金色の輝きは、
雨とともに全て洗い流した。



自分の実力を、
自分の心を磨いて
輝きを取り戻してみせる。




その輝きは
突き上げた拳の先にある太陽よりも
眩しくなるように。





to be continued



special thanks Yusuke Nakamura




ムコーダ


お問い合わせ
triathlon.mukoda@gmail.com


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