『枕草子』を光文社古典新訳文庫で読みました!『枕草子』のテキストには、 いろいろなものがあるのですが、佐々木和歌子氏の現代日本語訳による新しい翻訳の文庫本です。1000年以上前の宮廷女官によるエッセイ集なのですが、紫式部 と同じ時期の女性の感性を伝える屈指の名著として知られています。私は高校の古典の授業以来、半世紀にわたって何度もこの本に触れているのですが

佐々木氏によるこのテキストが一番しっくりくるように私には、思えます。解説を含めて、700ページ近い 文庫本としては、大冊なのですが、

宮廷を取り巻く人々の感性や自然や信仰に対して人々が抱いていた想いを伝えている名作であると思えます。

 清少納言というと、藤原道長の姪藤原 定子の忠臣で、定子のサロンを仕切っていた女性というイメージが強いように思えます。一条天皇の時代の宮廷の華やかさを伝える美しい文章が並ぶ一方で、中関白家を見舞った悲運については、記述が抑えられ、哀れさを誘うものになっているように思えます。大河ドラマで描かれていたような紫式部との友情があったのかどうかは、あり得たかもしれないけれど…というレベルにとどまる ような気がします。千年前の日本に生きていた人々の感じていたことを考えるには忘れてはいけない一冊であると思えます。

   同じ時期の作品の 多くと同じように自筆本は、伝わらず、藤原定家らが鎌倉時代以降に手書きで移したものが、今に伝わるテキストのもとになっているのですが、そのことだけでも凄いと思えます。


 

  このテキストで読みました!


 

  原文の定番は、こちらです。


 

 



 

  角川ソフィア文庫での現代日本日本語訳付きの二分冊のものです。


 

  このテキストのもとになった原文は、この本のものです!


 

  テキストのもとになった本の 

もう一つの版!


 

  能因本の テキストです!


 

  読みやすい解説本!