David Olusoga氏のBlack and Britishを昨年でたpaperbackの  新版で読みました。 本書は、英語で書かれいて、24+612pp.の本文に63 点の図版や写真を付けている15章構成の本で、イギリスへの黒人の関わりの歴史を扱った本です。その本書の 元版は、2016年に出版され、PEN 

Hessell-Tilman  prizeを受賞していて、日本語への翻訳も進められていた由です。以前の版は一昨年に入手して読んでいたのですが、アマゾンでこの版を入手することができたので、先週末から読み始め、何とか読み終えました。ローマ帝国の時代以来の、在英黒人とイギリス帝国の関わりについての長い歴史についての記述に、2020年のウインドラッシュ・スキャンダル などの近年の事がらを扱った記述を追加し、改訂を加えた新版が本書ということになります。 イギリス帝国における奴隷貿易とその廃絶運動の歴史に日本での関心は、集中しがちなのですが、アメリカの南北戦争やイギリスの産業革命や、20世紀の二つの世界大戦や 現在の移民の問題にも、在留黒人が大きく関わっていたことなどが、本書では、詳しく語られています。著者であるオルソガ氏の子どものころからの記憶を綴ったエゴドキュメントとしての性質も持つ本書は、エリック・ウィリアムズや 川北 稔氏や井野瀬久美恵氏、平田雅博氏の御著書 と合わせて読みたい一冊だと私には思えます。 

 なお、シエラレオネ植民地の形成やイギリスでの奴隷制廃絶運動へのマコーリー一家の関わりにほぼ触れられていないことが、私には物足りないように思えます。

  それから、シエラレオネやその首都フリータウンの地図が

載 せられていないことは、残念に思えます。


 

  この本です!