岡田昌彰氏の『英国の産業景観』(創元社、2018年、263ページ)を読みました。岡田氏自身が20年かけて撮影された英国の産業景観の美しいカラー写真満載で重くて大きいハードカバーの一冊です。
コッツウォルズの草原を見下ろす丘に1872年に建てられた華麗なツイード工場を写した息を呑むカラー写真がカバーを飾る本書は、店頭で手に取って見たくなる一冊です。大きな書店そのものが少なくなりアマゾンに頼ることが増えた現在の日本では、店頭で手に取ることが難しくなっている日本の現状の虚しさを痛感させる一冊とも言えるのが残念でなりません。
本書には、1960年代に建設されたものの2010年代になって、地球温暖化に対応するために解体された数々の発電所などの在りし日の姿を写した写真も収められています。美しい写真を楽しむための本であるための本であると共に、「人新世」を生きる私たちに現在の地球環境の問題への対応を考えさせてくれる一冊でもあると、私には思えます。ロンドンのテート・モダンが1952年に建設された石炭火力発電所を再生させて2000年に開かれた美術館であることも想起すべきなのかもしれません。
オーウェンの ニューラナークの紡績工場など18世紀の第一次産業革命の遺産から20世紀後半の第二次産業革命の遺産まで、網羅した本書には、それらがどのように現在の英国で産業景観と呼ぶことができる光景の中で再生しているのかが如実に示されています。ただし、博物館として再生したはずが 経営が成り立たなくってしまい、閉鎖されてしまったものが少なからず存在することも記述されていることで本書は、産業革命のことだけでなく、人新世について考える際にも私たちに重要な示唆を与えているように私には、思えます。
岡田氏が日本について書かれた本です。写真が美しい!
産業景観というとらえ方についての解説
岡田氏が博士論文を書かれていたころには出版されていた本。
産業革命についての今の解説本。
イギリスで産業革命が起こった理由についての新しい考察!
産業革命の歴史についての考察です。
日本の軍艦島についての考察です!
イギリスの産業革命についての新しい研究です。
産業革命と関係深い綿工業についての研究です。