さて、イギリス史は、いつから始まるのでしょうか?地球の誕生なり人類の出現なりから始まるということもできますが、それでは、「世界史」なり「クローバル・ヒストリー」なりの始まりであって、「イギリス」と冠した歴史の始まりとはいえないと 

思えます。現在のイギリスの領域とされているブリテン諸島の島々ができた 時か、そこで人類が暮らし始めたときに始まったと考えるのが適切だと私には、思えます。

 氷河期が終わり、ブリテン諸島がヨーグルト大陸から切り離されたのが今からおよそ8500年前頃、そこに住みついた人たちが狩猟採集生活を始めたのが、今からおよそ1万年前頃、さらに、その人たちが人間や家畜の食べ物となる作物の栽培を始めた、つまり農業を始めたのは、今からおよそ7000年前頃のことと考えられています。従って、人間と家畜の存在がブリテン諸島の環境を大きく変化させブリテン諸島が地質年代での「完新世」となったのは、今からおよそ7000年前頃のことと考えることができます。

 ところで、イングランド南部にあるストーンヘンシをはじめとする巨石を連ねた遺跡は、今から5000 年前頃からの2000年 

ほどかけて建設されたのだと考えられているのですが、遺跡や遺物はあるものの、文書などの 同時代の文字資料が存在しないため、それらをイギリス史の中で どのように位置付け るのかについては、様々な見方に分かれています。そのため、ユリウスカエサルのブリタニア侵攻があった今から2050年ほど前から、または、ブリテン諸島がローマ帝国の属州とされた今から2000年ほど前からを「イギリス史」の始まりとしているケースが今日でも多いように思えます。それでは、ヒュームや マコーリーの『歴史』と五十歩百歩ということになってしまうように思えるのです。一方、近藤和彦氏がブリテン諸島の誕生から説き起こされていることは、ここで

は、きわめて、参考にできるように思えます。

   とはいえ、次回は、ローマ帝国の侵攻にブリテン諸島 の人たちがどのように対応したのかということを、文字資料を用いて

見ていくことにしたい と思います。


 ブリテン諸島の巨石について考えるのに一番、役立つと思います。


 今の イギリスでの 基本的に見方の見本です。




日本の話なのですが参考になります。



英語の本ですが、挙げておきます。


 図版が楽しい本です。



古い本ですが、役に立ちます。