さて、「イギリス」とは? 日本では、当たり前のように使わ ている呼び名ですが、 英語での 国名の正式な表記を漢字カタカナ交じりの表記に直したものともそれを短縮したものとも異なっています。漢字カタカナ交じりの表記に直すと「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」となるのですが、それを短縮しても「イギリス」とはなりませんね。17世紀の初めに国交が成立した時の国名がイングランドであったのが漢字で「英吉利支」と表記されたのがカタカナで表記する際に「エゲリス」または「イゲリス」と訛って表記され、それがさらに「イギリス」となったためだと言われています。因みに、 現在の日本の外務省が「英国」と表記しているのは、江戸時代からの漢字表記を略称として利用しているためだそうです。なお、「大英帝国」という表記もしばしば用いられることがあるの ですが、もともとは、これは、明治時代の中国に存在した王朝である「大清帝国」、日本に存在した「大日本帝国」の両者と同格である ことを示すための作為のようです。韓国の正式な名称が「大韓民国」であるのは、日本の植民地になる以前に存在した「大韓帝国」の継承国であることを明示するためだそうです。

 ところで、現在、イギリスの領域であると理解されているのは、グレートブリテン島北部に位置するスコットランド、同じ島の南部の東側に位置するイングランド、イングランドの西隣のウェールズ、グレートブリテン島の西に位置するアイルランドの東北部 です。この四つの 部分の住民のそれぞれが国民を意味する「ネーション」を形成していると考えた方が適切なようです。

 また、この四つの地域で言語や宗教にも違いはあるのですが、それについては、別の機会に取り上げることにしたいと 思います。









 カレーの歴史はイギリス の歴史と不可分です。