「人新世」のこと~まとめ1

  「人新世」(英語ではanthropocene)は、2000年にオランダ人で1995年にノーベル賞を受賞した気候科学者クルッツェン(1933~2021年)が2000 年に提唱した地質年代に関連した概念です。

 クルッツェンは、それまで、今から1万年ほど前に、人類が農耕牧畜を始めた頃から大気の成分構成も大きく変化したので地質学上は現在に至るまで完新世になっているとされていたのに対して、人間の様々な活動の結果、地質学上にも大きな変化が起こり、人新世というべき地質年代になったと主張しました。

 それ 以来、人新世であるとするのかどうか、地質学の範囲を超えて、様々な領域で議論が繰り広げられています。気候変動や地球温暖化の問題も人新世の問題と捉えられる場合があります。資本主義と絡んだ問題と捉え資本新世と呼ぶ方が適切であるという意見もあるのですが、1950年代から地球全体で進行している変化を呼ぶのには、人新世と呼ぶ方が適切であると思えるのです。

 そこで、SDGsとも密接な関係を持つこの問題について、今後、少しずつ考えていくことにします。