さて2回にわたって新規事業を起こすにあたって高利益率を獲得できるビジネスモデルの条件とは何か、ということを探求してきました。

 

キーワードは「非常事態とその対策とそのサポート」でした。

 

世の中には、高利益率をたたき出している企業とはいうのは無数にあるのですが、

 

ビジネスモデルによって高利益率をたたき出しているというパターンは意外に少ないのが現実です。

 

一見すごいビジネスモデルのように見えるけれど、

 

実際は社長の人間力による営業の頑張りによって利益をあげられている企業や、

 

社長に時流を読む力がしっかりと備わっていたために、マーケットから先行者利益の恩恵を十分に得られた企業、

 

だったというのはよくあります。

 

もちろんそれはそれですごいことなのですが、社長の人間力や時流を読む力による企業の成長というのは絶対に長続きしません。

 

絶対にです。

 

そこにビジネスモデルの優位性がなければ必ず壁にぶち当たります。

 

なぜなら人間の時間とエネルギーは有限であり、完全に時流を読み、将来を予測し続けられる人間などいないからです。

 

儲かってる企業、急成長する企業を分析するときはこの点によく気を付けてください。

 

誤解しないで欲しいのは、ビジネスモデルさえ優れていれば企業は必ず成長するというものではありません。

 

経営者の人間力と時流を読む力がなければ、どんなすごいビジネスモデルもそれを成長軌道に乗せていくことは簡単ではありません。

 

要するに、天の時(時流にのる見識)、地の利(ビジネスモデル)、人の運(運を呼び込む人間力)の3つとも必要なのです。

 

ここまで成功しているビジネスモデルとして紹介してきた企業は、あえてビジネスモデルの点に着目しましたが、実は天の時も人の運も備えていた企業でした。

 

(例えば、セコムの急成長は、警察の犯人検挙率の低下という時流にうまくのっていますし、ファンケルは化粧品にさえ無添加ブームが来ることを読み、セブンイレブンは生活サイクルの多様化に適応し、ハイチオールCはスキンケアブームにのってターゲットを変えました。)

 

 

このブログでは時事問題について書くことがあります。それはこの「天の時」について、一緒に考えたいからです。

 

偉人達の人間力について書くときもあります。それは「人の運」について理解を深めたいからです。

 

そして、ビジネスモデルについて様々な具体例を交えながら研究を続けるのは、「天の時」を得て、「人の運」があってもなお、「地の利」を生かせなければ、戦には勝てないからです。

 

全世界的に、本当に厳しい経営環境が訪れていますが、どんなときもこの3つの要素を追求し続けることが経営者の役割だと思います。

 

このブログも元気いっぱい続けていきますので、今後ともよろしくお願いします。